第63話 おかしい・・・さっき増えたばっかりだよね!?(3)
そんなこんなで旅行は続き、翌朝に部下達にからかわれるアンジェリカちゃんを見たり、搾り取られる事に恐怖を感じている男性陣に精力回復の魔法をかけてあげたり、夜やっぱり頑張ったりしながら旅行を終えたんだ。
そして最後の別れ際。
「・・・はぁ、楽しかったね。」
「本当にね。アンジェリカ、ありがとうね?呼んでくれて。」
「いえ、桜花さん。それに龍馬さんも。こちらこそ、色々ありがとうございました。それで、いつ頃、挨拶させて頂ければ?」
「そうだね・・・向こうに行く時に父さんと母さんに挨拶するとして・・・向こうでも泊まっていきたいし・・・都合の良い週末が分かったらまた教えて?調整するから。」
「はい!」
という会話をして僕達は帰宅。
その後は桜花と話し合いをし、年明け後の新年半ば位を予定で、顔合わせしようと言う事になったんだ。
大晦日、年明けと過ごし、受験も間もなく佳境を迎える。
瞳や宏美、梨花、そして早苗さんにも既にアンジェリカちゃんの事は伝えてあるので、1月半ばの週末、土曜日の朝から向こうに行く事になった。
父さんたちにはもう伝えてある。
「・・・お前なぁ・・・」
「一体誰に似たのかしら?」
そんな呆れた声をもらいながら。
さて、当日。
場所は僕の家の前で待ち合わせ。
アンジェリカちゃんはギリギリまで仕事してから来るので、集まり次第転移で迎えに行くことになっている。
「龍馬くんおはよう!」
「龍馬っちおは〜!」
「龍馬くん、おはよう。いい天気だね。」
「うん、三人ともおはよう。泊まりだけど大丈夫?」
「うん!勉強合宿するって言ってあるしね。」
そりゃ家族は心配するよね。
一応、受験が終わり次第、僕がそれぞれの家に行き、両親に挨拶するつもりだ。
受験前に家族を騒がせるのはどうかって事になってね。
ちょっと気後れしちゃうけど、これは僕の責任だから。
「みんなおはよう。龍馬くんもおはよう。」
「あ、早苗さんおはよう。」
早苗さんも来た。
桜花はすでに自宅内にいる。
さて、
「じゃ、僕呼んでくるから、みんなは先に居間に入ってて。」
「は〜い。」
僕は『空間』を使ってアンジェリカちゃんの執務室に跳んだ。
「迎えに来たよ。」
「龍馬さん!」
「うわっ!?・・・て、三上さんでしたか。びっくりした・・・」
室内には、クリミアさんとアンジェリカちゃんだけだった。
「準備出来てる?」
「はい!いつでも!」
「よし、じゃあ、最初に僕の両親と、こっちで出来た婚約者の人達と挨拶して貰うね?」
「は、はい!」
「アンジェリカ様、頑張って下さいね?(そしていずれはめくるめく夜計画を!!)」
「ああ、行ってくるよクリミア・・・ねぇ、最後何か言ったかい?」
「いえ、何も。」
こうして、僕とアンジェリカちゃんは僕の家に跳んだ。
「うう・・・緊張します。」
「大丈夫だよ。みんな優しいから。」
「は、はい・・・」
家の中に入ると、父さんたちと瞳達がソファ側に並んでいて、アンジェリカちゃんを見て目を丸くしている。
「え!?え!?ちゅ、中学生!?」
「か、可愛いけど・・・だ、大丈夫、なの?」
「りょ、龍馬くん・・・流石に・・・」
「龍馬お前・・・」
瞳、梨花、早苗さん、そして父さん。
みんな絶句してる。
しかし、そんな中、桜花がこちらに来ながら言った。
「こらこら、あなた達失礼よ?こう見えてアンジェリカは500年を生きているんだから。前に言ったわよね?」
「あ!?」
「そう言えば・・・聞いたかも。」
「そ、それにしても予想外の見た目やね・・・」
「こ、これはすみません。失礼しました!」
「ごめんなさいね?」
瞳、宏美、父さん、母さん、みんながそれぞれ謝って頭を下げる。
「い、いえ!その・・・こ、こんな見た目ですが、歳はとっています。アンジェリカと言います。こ、これからよろしくお願いします!」
ぎゅっとスカートを握って頭を下げるアンジェリカちゃん。
それを見て、父さんが立ち上がった。
「アンジェリカさん。頭を上げて下さい。私は、龍馬の父で三上明良と言います。不肖の息子ですが、どうぞよろしくお願いします。」
「そうね。アンジェリカさん?私は三上実花と言います。なんとも気の多い上、女心の一つもわからないようなお馬鹿な子ですが、どうか見捨てずに居てあげて下さい。」
同じ様に立ち上がった母さんもそう言って頭を下げる。
とうかボロクソ言われてる・・・
「いえ!私は龍馬さんにとても助けられています!あ、お話するので座って下さい。というのも、私は異能組織エデンという所の長をしておりまして・・・」
その後も、アンジェリカちゃん達異能サイドの話を聞き、その内容に一喜一憂する父さんや瞳達。
勿論、もう瞳達も自己紹介は終えている。
「・・・は〜、世の中知らない事ばかりですな。」
「まったくだわ・・・そんなにいっぱい龍馬みたいな力を持った人が溢れているだなんて知らなかったわね。」
「いえ、龍馬さんはその中でもまた別物ですよ?正確には龍馬さんと桜花さんですが。はっきり言って、ライオンと子ねずみくらいの差があります。勿論、我々能力者が子ねずみですね。まさに雲泥の差ですかね。」
「・・・そう言えば、龍馬くん、あの怪力外人も余裕で倒してたわね。」
「え!?早苗さん見たことが・・・て、ああ、修学旅行の時の事ですか。」
「そ、そう言えば、早苗さんを襲った相手、ビリヤード台を片手で持ち上げてたとかなんとか言ってましたね。」
「ほえ〜!ウチらもそういうの出来るようになるのかな〜?アンジェリカさん、また教えて?」
「は、はい!宏美さん!」
「アンジェリカ?宏美は私と同じ年齢の子だから、そんなにかしこまらなくったって良いのよ?」
「桜花さん・・・」
「そうね。アンジェリカさん。これからよろしくね?私は大人だから、一般常識は大丈夫だけど、そういう世界の常識はまったくわからないの。一緒に龍馬くんを支えましょう?」
「早苗さん、はい、いえ、ええ、そうしましょう。よろしくお願いします。あ、そうだ。一応、私は見た目を変化させる事も出来ます。もっとも、能力によるものなので、一時的なものではありますが・・・」
「え?見せて見せて!」
「こら、宏美ちゃん!」
「いえ、大丈夫だよ瞳さん。『グローアップ』」
瞳ににっこり笑ってからアンジェリカちゃんが能力の『成長』を使う。
「!?こ、これは・・・」
「ふわぁ〜・・・こ、これはびっくりね。」
父さんと母さんがポカンと口を開ける。
「きゃー!綺麗!!」
「ほ、ホントだ!!すごーい!」
「う、うん!お人形さんみたい!!」
「驚いたわね・・・リディアさん達にまったく引けを取ってないわ・・・」
瞳、宏美、梨花、早苗さんも目を丸くして驚いている。
「いかがでしょう?」
「す、凄いですな!驚きました!」
「ええ、そうね。アンジェリカさん綺麗だわ!」
「ありがとうございますお義父様お義母様・・・は、恥ずかしいですね。」
そんなこんなで一通り騒いだ後、桜花がパンパンと腕を鳴らした。
「さて、それじゃ、向こうに行きましょうか。・・・アンジェリカ、向こうには・・・」
「はい、わかってます・・・マリアがいるのですね。」
「ええ、複雑だろうけど、でも・・・」
「いえ、大丈夫です。もう、私に
いよいよ対面、だね。
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