アフターストーリー 冬休み編

第54話 新たな仲間!?いや・・・婚約者ですか・・・(1)

前書き

この章は、『異能が全てを変えた日』のキャラクターが出てきます。

色々あって、そのキャラクターから二人が婚約者になる事になりました。

一応、ある程度は流れがわかるように書くつもりです。

それでは、開幕です。

**************************


 悲しい文化祭も終え、僕達は二学期の期末のテストを迎えた。

 ・・・僕の中では、例の件はトラウマとなっています。

 あれ移行、たまにリディアや桜花達が僕にあの忌まわしき格好をさせようとして来るけど・・・断固拒否です!


 ・・・まぁ、虎視眈々と狙ってるみたいだけどね。


 ちなみに、テストの結果は・・・桜花は相変わらず1位、僕は少し上がって2位だった。

 それもこれも、異世界補正だよね・・・だって、認識力がだいぶ上がっているし、記憶領域も膨大になってるんだもん。

 他の同級生には、申し訳ない気もするけど、まぁ、一応、強くなる努力の結果だからさ。

 許して欲しい。


 後、瞳は7位、宏美は25位、梨花は12位だった。

 みんなも、順位を大幅に上げたみたいだから、良かったよ。

 すっごく喜んでいた。


 もうすぐ冬休みだ。

 一応、冬休みになったら、瞳達を異世界のホームに招待する事になってるんだ。

 みんな驚くだろうなぁ!


 そんな中、携帯電話が鳴る。

 今は、自宅で、時刻は午後9時。

 こんな時間になんだろうと思い、画面を見てみると、異能組織『エデン』の長であるアンジェリカちゃんだった。

 アンジェリカちゃん達は、先日、大きな戦いを終えて、今はそれから発した雑務に追われてるらしい。

 組織の発足に至った難敵を、ようやく倒せたのに、忙しそうで大変だ。


 その難敵とは、この世界で1000年を生きた魔女マリア。

 この魔女は、世界の悪い異能組織の生みの親と言われるくらい、悪逆を尽くしてきたらしい。

 この魔女は、管理者の補助者である、ケントゥムさえも籠絡して、意のままにしていたんだ。

 魔女の目的は、人間の根絶。

 そして、それを止める為に立ち上がったのが、アンジェリカちゃん達で、もう数百年争っていたんだ。

 一応、僕は魔女の事情を、この世界の管理者であるシータさんから聞いていて、そうなってしまった事に同情もしていたので、この世界で責任を取るのを見届けて、その後、異世界に転生させてあげたんだ。

 だって、可哀想だったからね。

 悪いのは魔女と呼ばれたマリアだけじゃないと思うし。


 転生させたマリアは、向こうでもマリアと名付けられた。

 マリアの父親となる人の夢に、セレスに頼んで出て貰って、そうなるように頼んだんだ。

 転生に当たって、シータさんと向こうの管理者であるジードに頼み込んだんだけど、シータさんが、


『まぁ、ええよ。でも龍馬くん、これは借りやで?だからそのうち返してな?』


と言われたから、良いよと答えようとした瞬間、セレスが割り込み、


『シータ?あなた、龍馬くんに助けられたの忘れてるのかしら?それと相殺で良いでしょう?いえ、良いわよ、ね?』

『ええ〜!?そんなぁ・・・セレス先輩、ちょっと嫉妬深過ぎませんかぁ?』

『・・・何かしら?』

『いえ!なんでもあらへんよ!?・・・ボソッ(はぁ・・・うちも仲間に入れて貰おうと思ってたのにぃ・・・セレス先輩のいけず!)』


と、セレスと何かやりとりをしてたんだ。

 なんだったんだろうね?

 ちなみに、ジードは、


『ふむ。これは我にも良い修練になるな。』


と、2つ返事で受けてくれたけどね。

 まぁ、結局リソースの問題で、マリアは今から18年位前に転生させる事にな

ったんだけどさ。

 念の為、確認と説明の為に思念体で過去に行ったんだけど、赤ちゃんのマリアは可愛かったよ。

 念話で会話も出来たしね。

 忠告は色々したんだけど、素直になってたし、あれなら大丈夫かな。

 その時のやり取りはこんな感じ。


『良い子にしてたら、褒めてくれる?』


 って可愛い事を言うもんだから、


『あはは。勿論だよ。その時はなんでも言うこと聞いてあげるさ。僕に出来ることならね。』

『なんでも!?なんでもって言ったわね!・・・言質は取ったわよ。』

『げ、言質!?なんだか怖いこと言うなぁ・・・あ、悪いことは勿論だめだからね?』

『大丈夫よ!そんな勿体もったいないことはしないわ!』

『そ、そう?じゃあ、僕は限界だからそろそろ消えるね?今度こそ両親と幸せにね!』

『ええ・・・ありがとう。お礼は将来・・・ね?』

『お礼なんか良いさ。僕もあなたの幸せを祈ってるよ。じゃあ元気でね!』

『あっ!ちょっと待って!一つだけいいかしら?』

『うん?何かな?』

『あなたの事名前で呼んでも良い?』

『ん?別に良いよ。じゃあ僕もマリアさんって呼ぶね?』

『ええ、そうして!あっ!やっぱり呼び捨てにして!!』

『え?そう・・・わかったよマリア。』

『ありがとう。じゃあ、龍馬くん、また会いましょう!』

『うん。またね、マリア!』



 あの様子なら、多分もう悪いことはしなさそうだね。

 無事でいれば、もう18歳かな?

 そういえば、会いに来るって言ってたなぁ・・・一応、来る時はアネモネさんやガーベラを頼るように言っておいたけど・・・

 そろそろ遊びに来るかな?

 

 あ、そうそう、アンジェリカちゃん達の戦いには、僕と桜花は直接的には手をだしてはいないんだ。

 だって、この世界を救うのは、その役割を持った人達だと思うからね。

 だから、反則とも言える、補助者のケントゥムの排除だけに努めたんだ。

 ・・・まぁ、アンジェリカちゃん達エデンの猛者を鍛えたり、少しだけ手助けしたりはしたけどね。

 可愛い弟分や、桜花の従姉妹の灯里ちゃんもその組織にいるしさ。


 おっといけない。

 回想はこれくらいにして・・・それにしても・・・なんだろう?

  

「はい、もしもし?」

『あ、龍馬さん、ご無沙汰しています!今、よろいしいでしょうか?』

「うん、良いよ。何かあったの?」

『いえ、ようやくこちらも落ち着きそうなので、幹部だけの打ち上げの旅行を企画しているのです。龍馬さんと桜花さんもよろしければどうかなって思いまして。』


 旅行・・・かぁ。


『ちなみに、旅行先は温泉です!貸し切りでやるつもりなんです!ですから是非!』


 温泉?

 良いね。

 僕、温泉好きなんだよ!


「わかった。じゃあ、桜花には僕から言っておくね?日付はわかるかな?」

『はい、12月の26、27、28、29で、3泊4日の予定です。』

「了解。多分大丈夫だと思うよ。桜花と話して、もし問題があったら、早めに連絡するね?」

『はい!楽しみにしていますね!』

「あはは。ありがとね。それじゃあね。」

『はい!それでは!』


 プツッと電話が切れた。

 僕は、すぐさま桜花に電話する。

 そして、事情を説明すると、


『・・・なるほど。アンジェリカさん・・・まぁ、そうでしょうね。』


 ん?何を納得したんだろう?


『良いわ。行きましょう?但し、その前に、瞳や早苗達を一度向こうに招待するわよ?だから・・・22、23、24、25で異世界旅行ね?』

「ん〜・・・結構強行軍になるね。でも、いっか。宿題はその後でもなんとかなるかな・・・」

『ええ、なんとでもなるわよ。じゃあ、そういう予定で。瞳達は私が調整するから、リディア達はあなたが調整しておいて。それじゃね。おやすみなさい。』

「うん、わかった。じゃあね〜!おやすみ〜!」



 こうして、冬休みの予定は決まったんだ。

 ・・・しかし、これ、世の受験生が知ったら、ブチギレそうな予定だね。

 さて、リディア達に連絡とっておくかな〜。

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