第53話 BUNKASAI!!(5)

 騒ぎを聞きつけて早苗さんが来た。

 申し訳ないなぁ・・・


「何があったの・・・って・・・あ、そういう事?」


 そして、理解が早い。


「ご無沙汰しています。お義父さ・・・三上くんのご両親、桜花さんのご両親。それとリディ・・・ん”ん”!!綺麗な方々。」

「ああ、すみません、さな・・・先生。ご迷惑をおかけしています。」

「あ、謝らないで下さい三上くんのお父さん!大した事ではありませんから!!」

「おう!サナ・・・もがっ!?」

「あ!サナ・・・ふがっ!?」

「駄目よアイシャ!!ボソッ(それは内緒の事でしょう?サナエに迷惑かけてしまうわ。)」

「メイちゃんも!!(内緒だったでしょ?)」

「あ、そうだった・・・すまねぇリディア。」

「・・・そうでした。シエイラお姉ちゃんごめんなさい。」


 ・・・危ない。

 早苗さんと父さんはお互いにいつもの呼び方で言いそうになってるし、アイシャとメイちゃんは知り合いだってバレそうになるし・・・

 カオスだ・・・


「あ、リョウマくんの先生ですか?よろしければ、ご一緒しませんか?」

「・・・そ、そうですね。それではお言葉に甘えて・・・ほら、みなさん!?見世物ではありませんよ!?そんなにジロジロ見るのは失礼です!!立ち止まらない!!」


 セレスが気を使って早苗さんを誘ってくれたみたいだ。

 そして、早苗さんがこの場に集まってしまった人達を散らしてくれた。

 ・・・助かった。


「そ、それではご案内致します。こちらへどうぞ。」


 僕がみんなを案内すると、すでに瞳達によってみんなの席が用意されていた。

 注文を受付け、飲み物を出す。


「しっかし・・・可愛いなぁリョウマ。これは・・・楽しみだぜ!!」

「ああ、そうだな・・・燃えそうだ!新記録を出せるかもしれん!!」

「本当ですわね!女の子にしか見えませんもの。わたくし、背徳感に、もう我慢するのが大変ですわ!!」

「メイもわかるのです!でも、アイシャお姉ちゃん、グレイスお姉ちゃん、エスメラルダお姉ちゃんも、リョウマお兄ちゃんはこの姿の時にはリョウちゃんなのです!そこに書いてあるのです。間違えては駄目なのです!!」

「あら、本当ね。メイちゃんの言う通りだわ。リョウちゃん?こっちにいらっしゃいな。可愛がってあげるわよ?」


 何言ってるのみんな!?

 ていうか、アイシャもグレイスもエスメラルダもメイちゃんも、獣組は目つきがヤバい!!

 完全に狩る気満々だ!

 そして、エルマはもっとヤバい!

 ここで何する気だよ!!


「そこのメイドなオウカ?りょうちゃん貰って帰って良いかしら?それともお金が必要なの?おいくらなら買えるのかしら?」

「レーナ!駄目に決まってるでしょ!!」

「レーナ様・・・お気持ちはわかりますが・・・で、でも、私もリョウちゃんとお仕事したいかも・・・夜は使用人室で・・・うふっ♡」

「あら良いですね。では、私はメイド長として、リョウちゃんに手とり取り、教えて差し上げようかしら。」


 桜花の言う通りです。

 レーナ、君は僕を買ってどうするつもり?

 そして、アナはまだしも・・・ルーさん!!下ネタ言わないの!! 


「何言ってるのルー。そんな事言いながら、あなたの方が教えられちゃうのでは無くて?リョウちゃんのリョウちゃんで。でも、私もわからされちゃうかも・・・」

「良いですねシエイラ。伯爵令嬢と公爵令嬢が、使用人の男の娘おとこのこに身体で理解させられちゃうわけですね・・・なんて甘美な響き・・・」


 シエイラ!リディア!!やめて〜!!みんな聞いてるから!!


「・・・リョウちゃん?あなたが行けないのですよ?そんなに可愛いらしいのが・・・私も、わからされてしまうのかしら・・・男の娘おとこのこのたくましいそれに屈服する女神・・・悪くありませんね。」


 セレス!?

 どうしたの!?

 みんなに悪影響を与えられてない!?


「これは・・・次は荒れそうだねぇ。」

「そうやね〜。でも・・・わかるわぁ・・・」

「うん・・・はぁ・・・はぁ♡」


 瞳!宏美!仕事して!!

 梨花ちゃん!その顔はヤバい!!よだれ垂れてるし!!


「・・・龍馬、強く・・・生きろよ・・・父には・・・それしか言えん・・・無力な父親ですまない・・・」

「父さん!?」

「龍馬?ちゃんとみなさんを満足させるのですよ?それはあんたの義務だからね?」

「母さーん!?」


 おーい!?

 父さんと母さんもなんか慣れてきてる!?


「龍馬くん・・・いかん、不憫過ぎて涙が・・・」

「あなた・・・良いではないですか。孫がいっぱい生まれると思えば。皆さんお綺麗だから、可愛い孫達だと思うわ。楽しみね。」

「お父さん!?お母さん!?」


 士元さんとすみれさんの言葉に、桜花も思わず叫んでいる。


「・・・りょ、三上くん。私にはよくわからないけど、頑張ってね?男の甲斐性は大事よ?」


 嘘だ!!

 早苗さんは絶対わかってる!!

 というか、それは僕に頑張らせるって事でしょう!?


「・・・あれ、三上の両親なんだよな?」

「・・・っぽいな。この状況を受け入れるって・・・ヤバいな。」

「というか、あれ、廻里さんの親もいるんだろ?相手の親にハーレム受け入れさせるって・・・あいつどうやったんだ!?ラノベの主人公かなんかなのか!?」

「三上くん・・・あの人数相手に頑張るの・・・?」

「凄くない!?信じられない・・・私の彼氏なんて・・・一日に3回が限度なんだけど・・・」

「え!?あんた彼氏いたの!?それにもう・・・裏切り者ー!!」


 男子も女子もカオスだ・・・


 ううう・・・どうしてこうなった・・・


 こうして、僕達の最後の文化祭は終わった・・・

 そして、僕の社会的な評判も終わった・・・


 この文化祭後、学校内でささやかれた僕のあだ名、それは


『夜の魔王』


 だ。


 ・・・しくしくしく。

 『黒衣の天災』より酷いよ・・‐









 追伸


 僕は、文化祭の次の週末、ホームに連れ込まれました。

 そして・・・女装する僕をみんなで一斉に・・・



 ううう・・・まだ、耳に残ってる・・・


『あら?リョウちゃんったら・・・いやらしい子ね?こんなにしちゃって・・・』

『ほらほら・・・こんな風にされちゃうのが好きなのね・・・エッチな子♡』

『縛られてそんな格好で・・・ううむ・・・男側の気持ちが少し分かってしまった・・・ほらほら、りょうちゃん?早くほどかないと、食べられてしまうぞ♡・・・はい、時間切れ♡んっ♡』

『あらあら・・・リョウちゃん?丸見えですよ?そんな格好をして・・・はしたなくなってますよ・・・こ・こ・が♡こんなに凶悪に大きくしちゃって・・・ほら、どうして欲しいのですか♡?』

『{何かをすする音}・・・ほっほへひるひゃろ(もっと出来るだろ)?ひょらひょら(ほらほら)♡・・・{何かをすする音}・・・』



 みんなの声が・・・


『リョウちゃん?良かったわね?嬉しいわよね?みんなに愛されて。勿論私も愛してあ・げ・る♡』

 

 そして桜花の声が。




 僕、・・・汚されちゃった。

 くすん。


*******************

これで、文化祭編は終わりです。

次は、いよいよ冬休み編。

新しいヒロインが、現れます(笑)

『異能が全てを変えた日』のキャラです。

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