第55話 新たな仲間!?いや・・・婚約者ですか・・・そうですか・・・(2)
今日は、二学期最終日。
そして、明日を準備の日にして、明後日からは異世界旅行だ。
「龍馬くん!いよいよ明後日ね!楽しみだなぁ!!」
「ほんとほんと!いや〜旅行かぁ〜!良いね!」
「う、うん!みんなとも会えるしさ!クリスマスまで過ごせるし、私も楽しみ!」
教室で瞳、宏美、梨花の笑顔が輝いている。
そして・・・
「・・・三上の奴、葛城達と旅行に行くのか・・・くそっ!受験生なのに!!」
「・・・落ちろ!受験に失敗しちまえ!そして嫌われろ!!」
「悔しい・・・悔しいよ・・・俺・・・実は、クリスマス一緒にどうかって大寺を誘ったんだけど、速攻で断られてたんだ・・・」
「・・・実は、俺も河瀬を誘ったんだ。・・・断られたけど。その理由が・・・」
「俺も!俺も同じだ!葛城を誘ったのに!!三上と旅行に行くから無理だって!!がああああああ!」
・・・そこら中の男子達の声が聞こえて来る。
ううう・・・肩身が狭い・・・
「ほら、また気にしてるの?いい加減、慣れなさい。全部あなたが悪いんだから。」
「桜花・・・やっぱり、僕が悪いの?」
「もう!桜花!龍馬くんは悪くないでしょ!!・・・あ、でも、こんなに格好いいのは、悪いのかも・・・」
「あ〜・・・瞳の言う通りかもね〜。うちもそう思うかも・・・魅力的な龍馬っちが悪い!」
「・・・うん、もう、離れられないもの。あんな凄いの経験したら・・・」
・・・魅力的だから悪いって何?
そして・・・梨花、それは言わないで。
恥ずかしくなって来るから。
それに、ここ教室だし、みんなに聞こえたらどうするのさ!
「・・・やっぱり凄いんだ。」
「三上くん・・・テクニックも凄いんだねぇ。」
「あの身体で、あの優しさ・・・でも、夜は獣?」
「ギャップが凄い・・・良いなぁ・・・羨ましい・・・」
「流石は、夜の魔王、ね・・・私もしてくれないかなぁ・・・」
ほらぁ!
聞こえてるじゃん!!
なんか女子がこそこそ話してるし!!
夜の魔王って聞こえたし、これ以上、変な噂が流れたら嫌だよぉ・・・
そんな僕を尻目に、教室に早苗さんが入って来る。
そして、ホームルームは続き、まもなく終了。
「はい、それでは、冬休みに入ります。皆さんは受験があるので、ここが最後の追い込みとなるでしょう。頑張ってね?補講のある人は、明日からも学校に来て下さい。それでは、皆さん、また来年に会いましょう。号令お願いします。」
「起立!礼!」
「はい、それでは解散して下さい。」
先生の合図で、みんなが解散して行く。
そんなみんなを尻目に、早苗さんが目配せしてきた。
なんだろう?
僕は念話を飛ばす。
『どうしたの?』
『あら?これ凄いわね!頭の中に龍馬くんの声が聞こえるわ!』
『うん、念話って言うんだ。それで、何かあったの?』
『ええ、休み取れたわ!旅行、初日から行けそうよ!・・・鬱陶しい人が、しつこくクリスマスの予定を聞いてきたけど、『彼氏と旅行に行くので無理です。』って行ってやったわ!!その時のあの絶望の顔!ざまぁって奴ね!!』
『・・・それって、あの体育教師?』
『そうなの!龍馬くんの事を悪く言うような人、誰が優しくしてやるもんですか!!未だに腹が立つわ!』
『まぁまぁ、僕はなんとも思ってないから良いよ?早苗さんがその事で怒ってるより、旅行を喜んでくれる方が僕は嬉しいからさ。』
『・・・あぁ・・・しゅきぃ・・・抱かれたい・・・でも、ここ教室だし・・・』
ストレートな思考に顔が赤くなる。
・・・念話は思ってる事、そのまま伝わっちゃうからなぁ・・・
『さ、早苗さん!聞こえてる!聞こえてるから、その辺で!』
『え!?そうなの!?・・・ま、いっか。別に隠さなくても、龍馬くんなら良いし。龍馬くん?旅行中、しっかりと
・・・なんか、喜ぶ、の意味が違う気がする・・・
念話じゃ字まではわからないからなぁ・・・
こうして、念話を終え、僕と桜花、瞳達は帰路についた。
翌日は、一応、先行して課題を終わらせる。
僕と桜花は、たいして準備もいらないからね。
アンジェリカちゃん達との旅行もあるし、早めに進めないと。
ちなみに、通知表は、10段階中、ほぼオール10だった。
父さんと母さんに見せたら、喜んでたよ。
この間の順位も見せてあるからね。
「龍馬、一応もう一度聞いておくが、冬期講習とかは良いんだな?」
「うん、いらないと思うよ。」
「そう言えば、旅行明日からよね?年末近くまでだったかしら。」
「そうだよ。明日から25日までと、26日から29日まで。」
「・・・世の受験生が聞いたら、発狂しそうだなぁ・・・」
だよね。
やっぱり、そう思うかぁ・・・
「まぁ、お前が自分で考えて行動するなら、俺は特に何か言うつもりは無いよ。好きにしなさい。」
「そうねぇ・・・但し、結果は自分の責任だからね?あなたは、いっぱい背負ってるんだから、それをちゃんと考えるのよ?」
「うん。ありがとう、父さん、母さん。信頼してくれて。」
「自慢の息子だからな!」
「そうね。異世界の勇者さん?」
「勇者ではありません。ただの迷子です・・・って、母さん、面白がってるね?」
「あはは。」
・・・僕は良い両親を持ったな。
さて、明日から、気合入れて行くぞ!
・・・じゃないと、搾り殺されそうだし。
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