第27話 修学旅行(4)
僕達がトランプを終えた後、先生は休憩を終え見回りに、桜花達は女子の部屋に行ったので、僕は部屋に残って寝ることにした。
ぐっすり寝て、翌日の朝。
みんなで待ち合わせて朝食へ。
バイキング形式で食事を取る。
うん!
美味しいね!!
そして、その後は、みんなで水着を持ってホテルの近くのビーチに行くことにした。
「うわぁ〜良い天気ね!これだいぶ焼けそうだなぁ〜。」
瞳が手を太陽に翳してそう言った。
確かにそうだね・・・でもテンションは上がる!!
みんな既に水着を着込んでいて、上にパーカーを羽織って下はハーフパンツだ。
ビーチを見ると、ちらほらと同級生の姿が見える。
みんな楽しそうだ。
「龍馬っち!早く行くよ!!」
「龍馬くん。行こう?」
宏美と梨花が僕の手を握ってビーチへ引っ張っていく。
「あっ!宏美ちゃんも梨花ちゃんもズルい!じゃ私はここ〜!!」
瞳が僕の背後に回って背中を押す。
僕がちらりと桜花を見ると、桜花は苦笑していた。
ビーチに着くと、貸出のパラソルを差す。
にしても・・・
「綺麗ね・・・」
桜花がうっとりと海を見てそう言った。
「本当だね。」
凄く・・・凄く綺麗だった。
海も、ビーチも・・・桜花も。
「さて、それじゃあいよいよお披露目だね!えい!!」
瞳が勢いよくパーカーを脱ぎ、ハーフパンツを下ろす。
「どうかな?」
「おお・・・」
思わず
水色のビキニで、出る所が出て引っ込むところが引っ込んでいる瞳に良く似合っていた。
「もう!おお、じゃあわかんないよ!!」
「あ、ごめん。似合ってるよ。凄く可愛い。」
「本当!やったあ!!」
瞳はぴょんぴょん跳ねて喜んでいる。
・・・胸も跳ねている。
うん・・・良いね!
「龍馬っち!私は!?」
「龍馬くん・・・その・・・私も・・・見て?」
宏美がぐいっと顔を寄せ、梨花も遠慮がちに僕のパーカーを引っ張る。
宏美は、同じようにビキニで、色は赤色。
健康的な感じの宏美に良く似合っていった。
梨花ちゃんは、オレンジ色のフレアビキニだった。
・・・凄い。
何が凄いって・・・お胸が・・・お胸が・・・
はっ!?殺気!?
桜花の方から僕だけに殺気が飛んでくる。
いかんいかん!
そんな目で見ちゃ!!
「うん、宏美も梨花も良く似合ってるよ?宏美は健康的な感じが良く合っているし、梨花も可愛らしい感じがとても良いと思う。」
「ありがとう!いや〜嬉しいなぁ!!」
「うん・・・頑張った甲斐があったなぁ・・・」
宏美も梨花も嬉しそうだった。
そして・・・
「龍馬。」
真打ち登場ってね。
僕が桜花を見ると、白いビキニで下はパレオを巻いている。
・・・流石桜花だ。
うん、凄く良いな・・・
「・・・やっぱり桜花は綺麗だね。よく似合ってるよ。」
「・・・ありがと。」
うんうん!
照れる桜花もいいね!
さて、僕も脱ぐかな。
パーカーのジッパーを下げて脱ぐ。
すると、
「うわっ・・・」
「凄・・・」
「っ!!・・・はぁ・・・はぁ・・・♡」
瞳と宏美と梨花からそんな声が漏れていた。
というか、梨花は息が荒くなってトロンとした目で僕を見てるんだけど・・・僕の水着姿が変なのかな?
「龍馬くん・・・鍛えてるんだね。強いのは知ってたけど・・・」
「いや〜・・・龍馬っち筋肉凄いなぁ。シックスパックもばっちりだし・・・」
「・・・はぁ♡・・・はぁ♡・・・ごくりっ(ああ・・・龍馬くん・・・あの引き締まった身体に抱きしめられたい・・・覆いかぶさって欲しい・・・)」
ああ、筋肉に驚いていたのか。
僕は着痩せするからね。
それに武術もしてるから、そこそこ筋肉には自信もあるよ。
・・・ていうか梨花は大丈夫かな?
かなり息が荒いけど、熱中症じゃないよね?
「うお!?あの四人が水着に・・・ってあれ三上か?・・・なんだあの筋肉・・・やべぇなあいつ・・・」
「マジか・・・喧嘩は絶対売れないな・・・」
「う〜・・・あの四人には近づきたいけど・・・三上が怖ええ・・・」
遠巻きに学校の男子がこっちをちらちら見て何か話しあっているな。
なんだろう?
でも、桜花達が嫌がるなら僕が守らないとな。
「うわぁ・・・あれ三上くんよね!?すっごい身体・・・」
「本当・・・引き締まっててセクシーだわ・・・」
「・・・桜花ちゃんあの身体に抱かれてるのかしら・・・羨ましい・・・」
「ギャップが凄いわね・・・優しそうな三上くんの身体が凄く鍛えられてる。ちょっと腹筋触ってみたい。駄目かなぁ・・・」
うん?
女子もおんなじ様な感じに見えるなぁ。
本当になんなんだろう?
すると、そこで、ぐいっと桜花に引っ張られる。
そちらを向くと、サンオイルを渡された。
「ほら。塗って。」
「ああ、良いよ。」
「あっ!桜花ちゃんズルい!!」
僕はパラソルの下に寝そべる桜花の背中にサンオイルを塗る。
ふふふ!
もう、これくらいの事じゃドギマギしませんよ!
塗り終わると、すぐに瞳が手を上げた。
「龍馬くん!次私!」
「龍馬っち!そん次私ね!!」
「あの・・・私も・・・」
・・・みんなお互いに塗れば良いんじゃないの?
男に触られるよりも良いと思うんだけどなぁ・・・
まぁいいか。
桜花も止めないし、普通なのかな。
こうして、女の子全員にサンオイルを塗り終えると、遠巻きにこちらを凝視していた男子生徒達が、凄い形相でこっちを見ていた。
えっ!?ただオイル塗ってただけなのになんで?
「あの野郎!あの野郎!!見せつけやがって!!」
「闇討ちしたい!滅ぼしたい!!・・・でも・・・」
「・・・あの身体見ると、暴力は止めたくなるなぁ・・・」
「くそっ!悔しい!!腹が立つ!!」
・・・なんて言ってるんだろう?
まぁいいか。
こうして、
海で四人で仲良く遊んでお昼ごろ、そろそろお昼ごはんにしようか、なんて話していた時だった。
「生徒を離しなさい!!」
そんな女性の叫び声が聞こえたのは。
そちらを見ると、ガラの悪そうな外人達に腕を掴まれている女生徒と、その行為を咎めている小森先生がいたんだ。
トラブルか・・・
僕は、そちらに足を向けた。
「龍馬くん!?」
「ああ、大丈夫よ瞳。龍馬、やりすぎないようにね?」
「うん。」
まぁ、多少痛い目には合わせるかもだけどね。
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