第16話 GW(6)

「父さん、母さん、士元さん、すみれさん。僕はまだ一つ言っていないことがあります。」


 僕の真剣な表情に、父さん達は顔も真剣な表情になる。


「僕は、いずれ、世界の管理者になる。創造神様に誘われたんだ。」

「管理者だって?それに、創造神様って?」

「私が補足しましょう。」


 セレスも説明を手伝ってくれるみたいだ。

 助かる。


「以前言った神様のようなもの、それが管理者です。先日龍馬くんが言った、倒した神様というのが神と呼ばれるもの、です。勿論私もそう呼ばれていました。」

「「「「・・・」」」」

「そして、全てが終わった後、龍馬くんは創造神様に呼ばれてお会いしに行きました。創造神様は管理者を管理する方です。そしていくつか管理する世界の中にこの世界と・・・みなさんの世界があるのです。」

「と、すると、神は実際に・・・」


 唖然とした表情で士元さんが口を開くと、それに応じるようにセレスが頷く。


「はい、います。ですが、それはまた別の話です。龍馬くんはそこで創造神様から気に入られ、管理者になるように誘われたのです。」

「それは・・・危険ではないの?」


 セレスの言葉に母さんが反応した。

 セレスはにっこり笑って、


「はい。まず、危険にはならないでしょう。私の時は、同じ管理者のヴァリスが私を封印するという暴挙に出た為発生した事です。ですが・・・」

「セレス。そこからは僕が話すよ。」


 僕は前に出る。


「僕が管理者になる時、僕の補助者はみんなになる。」

「・・・それは桜花も、という事だね?」

「はい。そして、管理者に昇格すると・・・寿命という概念は無くなります。」

「「「「!!」」」」

「ですから、創造神様はおっしゃいました。精一杯生きてから管理者になれって」

「「「「・・・」」」」

「娘さんを人の身から外すことになります。その事については・・・申し訳ありません。」


 そう言って頭を下げる。

 士元さん達は無言だったけど、すみれさんと顔を合わせると、お互いに苦笑し、僕に向き直った。


「人の身から外れる・・・か。それは既にそうなってる気もするが・・・二人で・・・みんなで決めた事なのだろう?なら、私達がとやかく言うことでは無いよ。」

「ええ、士元さんの言う通りだわ。桜花が納得しているなら文句なんかありません。」

「・・・ありがとうございます。」

「お父さん、お母さん・・・ありがとう。」

 

 僕らは再度士元さん達に頭を下げる。

 そして、その後に父さん達を見た。


「・・・まあ、私達も同じだ。今更過ぎるだろ。」


 そういって苦笑する父さん。


「そうね・・・まぁ、後悔しないように生きなさい。人と違ってても良いわ。精一杯生きて、そして、その管理者?神様になって良い世界を作りなさい!」


 母さんはにっこり笑ってそう言った。


「ありがとう。僕は二人の子供で幸せだよ。」

「お義父さん、お義母さん、ありがとうございます。」


 僕も桜花も・・・みんなも頭を下げる。

 

 どうやら理解して貰えたみたいだ。

 これが話せただけでも、今回の旅行はして良かったと思う。

 

 色々疲れたけど・・・結果オーライかな!



 そんな風に思っていた時が、僕にもありました。


 全ての旅行の行程を終え、ホームに戻ると、そこには、黒猫会のみんなが押しかけてきていた。

  そして始まるサバト!!


 でも、その頃には、父さん達も笑顔で騒いでいたけどね。


「リョウマくん!さあ!部屋に行くわよ!」

「うふふ・・・年上の魅力・・・思う存分味あわせてあげるわね。」

「待って下さい!私も行こう!」

「お母様!私も行くわよ!」

「・・・私も・・・」

「あはは!カエラ様!もっとはきはき言わないと!オリビアも参加しま〜す!」

「私も参加する。愛人として。既成事実。」


 セルマさん、アネモネさん、ウルト、ガーベラ、カエラさん、オリビアさん、キリアさんの連合軍対、


「させないわよ!龍馬は私達のものよ!」

「ええ、負けられません!」

「そうだなリディアちゃん!五剣姫は引き下がらない!」

「おいグレイス。カエラ達も五剣姫じゃねーか。しかもあっちの方が数が多いし。まぁ譲らねーのはその通りだけどな!」

「リョウマお兄ちゃんはメイが搾り取るのです!」

「メイちゃんだけじゃありませんわ!わたくしもですわ!」

「リョウマさんのリョウマさんは絶対に渡しません!」

「シエイラ・・・それじゃリョウマくんじゃなくて、リョウマくんのリョウマくんだけ渡さないみたいじゃない。」

「・・・スキルを得たリョウマさんを味わったら、絶対離れられなくなります・・・断固阻止しなければ!」

「その通りです姫さま!」

「確かに・・・凄いものね・・・」

「ルーさん・・・しみじみとおっしゃらなくても・・・でも、確かにそうでしょうね。女の戦い・・・これも初めての経験ですね。」


 桜花、リディア、グレイス、アイシャ、メイちゃん、エスメラルダ、シエイラ、エルマ、レーナ、アナ、ルーさん、セレスの婚約者軍。


 僕は現在もみくちゃにされてます。

 色んな所が当たって、柔らかくて、いい匂いがして・・・まずい!理性が飛びそうだ!

 

「あっ!?誰だ変なとこ触ってるのは!ちょっ!?服脱がさないで!うっ!いまなんかぬるっとした!?誰か舐めたな!?やめ・・・やめてぇぇぇぇぇぇぇ!!た、た、助けて!!」


 そんな様子を諦観と共に眺めている両親ズ。


「・・・なんかもう羨ましいと言うより、哀れに見えるな・・・」

「そうね・・・我が息子ながら・・・難儀な子。」

「・・・見方によっては、ピラニアの群れに放り込まれた餌、だな・・・」

「・・・士元さん上手いわね。私もそう思うわ・・・それにしても、龍馬くんそんなに凄いのかしら・・・ごくりっ。」

「おい!?すみれ!?」

「あらっ・・・嫌だわ士元さんったら!」


 誰も助けてくれない。

 聞こえてくるのは、両親ズの会話と、ディバイドさんとグレイガルムさんとツカサさんとマサオミの大爆笑が。


 ああ、ここにジードがいたら助けてくれ・・・無いだろうな・・・


 こうして、ゴールデンウィークの旅行は幕を閉じたのでした。

 

 ああ、そうそう、ちなみに僕はちゃんと婚約者連合に守られました。

 悪しからず。

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