第15話 GW(5)
今日は最終日だ。
エルフ族の里に行こうと思っている。
エルフ族・・・難関はセルマさんだな・・・
転移扉からエルフの里へ。
そして一歩外に出ると・・・うわっ!?いきなり目の前におっぱいが飛び込んで・・・むごっ!?
「リョウマくんいらっしゃい!ようこそエルフ族の里へ!」
僕がセルマさんの胸に顔を埋めていると、最初唖然としていたみんなも動き出す。
「お母さん!離れて!」
「セルマさん!駄目ですよ!」
「みんな!引き離せ!」
「「「「「お〜!!」」」」
「あ〜ん!みんなつれないわね!」
僕たちのやり取りを、口をポカンと開けて見ている両親ズ。
僕は自由にしゃべれるようになった口を動かす。
「あ〜・・・その・・・エルマのお母さんのセルマさんです。セルマさん、僕の両親と桜花のご両親です。」
「はっ!?その、龍馬の父の明良です。」
「妻の実花です・・・セルマさんなんて若さなの?」
「美しい・・・はっ!?桜花の父の廻里士元です。」
「母のすみれです。セルマさん、とても子持ちに見えない位お若いですね、・・・あなたは後でお話があります。」
「・・・うむ。」
既にカオスだ。
でも、多分こんなもんじゃ終わらない。
何せ相手はセルマさんだ。
アネモネさんと同じ、要注意人物の一人なのだから。
「あら、これは失礼しました。私は、エルフ族の里で、巫女頭をしております、セルマと申します。お見苦しい所をお見せしました。」
お!?これはいけるか!?
きれいなセルマさんかな!?
「何せ、リョウマくんはどれだけ誘っても堕ちなかった手強い相手なのです。娘より先につまみ食いしようと思っていたのですが、先を越されてしまったので、実力行使で味わって見ようと思いまして・・・」
「あんたが一番酷いよ!!」
真っ黒だった。
というか、一番酷かった。
父さん達も、まさかの言葉にドン引きしている。
「あのね・・・セルマさんは、アネモネさんと同じなのよ・・・」
桜花が困ったようにそう言った。
「お義父様、お義母様、こんな母親でごめんなさい。」
エルマが恥ずかしそうにそう言った。
「あら?だってリョウマくんいい男よ?旦那も亡くなって数十年立つし、あなたも手を離れたし、そろそろ再婚を考えても良い頃じゃないかしら?」
「娘の男に手を出すのが問題なんでしょ!!」
「イイ男だから仕方がない事なのよ。」
「言い訳にならないわよ!」
「そうかしら?アネモネさんも同じこと言うと思うわ。」
「あなた達二人だけです!」
エルマとセルマさんの言い合いを呆然と見ている両親ズ。
僕も何も言えません。
「何を騒いでおるのかね?」
そこにエヴァンテスさんが来た。
「こんにちは。お久しぶりですエヴァンテスさん。」
「これはこれはリョウマ殿、無事のご帰還嬉しく思うよ。エルマは元気かね?」
「見ての通りです。」
「・・・そのようだの。」
そこには、元気よくセルマさんと言い争う姿があった。
「あっ紹介します。こちらが僕の両親です。そして、あちらが桜花の両親です。」
「おお、これはどうもはじめまして。儂はエルフ族の長老のエヴァンテスと言う者ですじゃ。」
エヴァンテスさんの自己紹介で、ようやく、我に返った両親ズは、慌てて自己紹介をする。
そして、一通り挨拶を終えた後、未だに口論をしていた二人に対し、エヴァンテスさんはため息をついた。
「これ!セルマ、エルマいい加減にせんか!お客人の前じゃろうが!!」
二人はそこでハッとして、
「ごめんなさい。」
「申し訳ありません。」
と頭を下げた。
「いつもエルマがお世話になっています。」
「いえ・・・」
「久しぶりに帰って来た娘に嬉しくなってしまい、年甲斐も無く、ちょっとはしゃいでしまいました。」
「そうだったのですか。」
「あの・・・不躾にすみません。セルマさんはおいくつになられるのかしら?」
「ああ、私は今は・・・200歳位でしょうか。平均的なエルフ族の歳ですね。」
「200歳!?」
「エルフ族は長命なんですよ。長老なんて1000歳位の筈ですし。」
「1000歳・・・」
「想像を絶するな・・・」
そんなセルマさんと父さんや士元さん達の会話を聞いていると、
「エルマさんも同じ位の寿命なのでしょうか。」
父さんが、難しい顔をしてそう言う。
母さんも同じような顔をしている。
・・・そう言えば寿命の話は後回しになってたな。
「ええ、そうですよ。」
それを聞いて、父さん達はエルマを見た。
「・・・エルマさんはそれで良いのかい?伴侶が先に亡くなるのは辛いと思うが・・・」
「そうですね。それについては考えました。ですが・・・覚悟は出来ていますよ。それに・・・」
「エルマ。そこからは僕が話すよ。」
「リョウマくん・・・」
僕は父さん達を見た。
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