第335話 帰還

 今、僕たちはホームの庭にいる。

 目の前には、僕と桜花を除くシャノワールのみんな、セレスとルーさんとアナさん、ジードと奥さん達、ディバイドさん、アルザードさんとレイチェルさんとアリオスさん、ジラートさん、エヴァンテスさんとセルマさん、アネモネさんとガーベラ、セルヴァンさん、ツカサさんとマサオミとグレイがエルムさん、レアルさん、グレイス以外の五剣姫のみんなが立っていた。


 見送りで集まってくれたんだ。

 残念ながら、この国の宰相であるプラムさんや、ネモス小国の宰相さん、イリーナさんやケーラさん、ミリアンちゃんとアインくんは来ることが出来なかった。

 それぞれ仕事や学校なんかで都合がつかなかったようだ。


 無理して来ようとしてたけど、それはやめて貰ったんだ。

 だって、今生の別れになる訳じゃないからね。


「それでは龍馬よ。向こうに戻ったら、しっかりと親に怒られて来るが良い。」

「うん。そうするよ。ありがとねジード。ジードに出会わなければ、僕はここまで来られなかったよ。本当に感謝してる。」

「気にするな。友達だろう?」

「うん!友達だ!」


 僕はジードとがっちりと握手する。


「レーナ。行ってくるわね。すぐに会えるようにするから待ってて。」

「ええ、桜花。待ってるわ!」


 となりで、桜花もレーナと抱き合っている。


「リョウマよ。お主は大業を成し遂げた。誇るが良いぞ。」

「ありがとうディバイドさん。今度向こうのお酒持ってくるね。」

「そりゃ楽しみじゃわい!」

「アネモネさんもセルヴァンさんも色々ありがとう。」

「いいえ、リョウマくん。お礼を言うのはこちらだわ。ネモス小国女王としてお礼を申し上げます。」

「僕も同じくさ。ネメ共和国大統領として、最大限の感謝を。」

「火の元の国も同じだ。リョウマよ。感謝する。」

「エルフ族も、族長として感謝しておりますぞ。」

「リョウマくん。巫女頭としてもお礼申し上げます。」

「竜族もお主に救われた。何かあったらいつでも助力する。」


 みんなと握手する。

 なんだか感慨深いなぁ。


「リョウマ。すぐにまた顔を見せろよ。ホームはメイビス家が最大限の配慮をする。安心しろ。」

「リョウマちゃん、ご両親によろしくねぇ。」

「リョウマ、イリーナとの式の時にはお前を呼ぶからな!」


 本当にみんな暖かい人達ばかりだ。


「師匠。いつかきっと、あなたのお側にいられるよう努力します。」

「私もよ。まだ諦めてないからね!」

「リョウマ殿・・・わたしも同じ気持ちです。また、お話しましょうね。」

「また会えるの楽しみにしてるからね〜。お土産よろしく!」

「ん。最後にキスしとく?」

「しません。」


 ウルトも、ガーベラも、カエラさんも、オリビアさんも、キリアさんも、なんだかんだで打ち解けちゃったな。

 でも、やっぱり嬉しいね。


「リョウマさん。あなたと出会えて、私は本当に幸運でした。どうかこれからもよろしくお願いします。」

「リョウマ、早く会えるよう頑張ってくれ。・・・私も寂しいからな。」

「リョウマさん。以前の様に、行かないでとは言いません。でも、次に会った時の夜には覚悟して下さいね。」

「リョウマ!お前はやっぱりすげぇ奴だった!あたしの目に狂いは無かった!これからもついていくからな!」

「お兄ちゃん・・・ちゃんと会いに来てね。こなきゃ嫌ですよ?」

「リョウマくん。あなたとの出会いは刺激的で、絶対に無くしたくないわ。今後も楽しみにしてるから。」

「リョウマ様。お慕いしております。婚約者から妻になれるのを、楽しみにしておりますわ。」

「リョウマさん。桜花をよろしくね?後、私もよろしくね。大好き!」

「龍馬さん。管理者から普通の女性にしてくれた愛しい人。あなたのおかげで、私は幸せを知ることが出来ました。私の身も心も守ってくれる人。愛しています。」

「ご主人・・・リョウマくん。ホームの事は心配しないでね。無事帰還できるよう祈っております。」

「リョウマ様。私を受け入れてくれて本当にありがとうございます。私は幸せです。これからも、幸せでいさせて下さいね。」


 リディア、グレイス、シエイラ、アイシャ、メイちゃん、エルマ、エスメラルダ、レーナ、セレス、ルーさん、アナ・・・僕は、一生背負っていく、かけがえなのない人をこの世界で得た。

 これは、元の世界に戻っても変わらない。


「うん。すぐに帰ってくるから!みんな愛しているよ!」


 僕は婚約者とルーさんとアナさんにキスをしていく。

 ・・・これ、僕の方が離れるのきつくなっちゃうな。

 早く会えるようにしなきゃね。


「さあ、龍馬。一緒に怒られに行くわよ。すぐ来るからみんな待っててね!」

「うん!帰ろう桜花!僕たちの世界に!!」


 僕は帰還術式を構築する。

 目の前には巨大な魔法陣が幾層も連なっていく。

 全ての魔法陣が重なり、一つになり光を放つ。


「じゃあねみんな!行ってきます!!」


 僕と桜花はその光に飛び込んだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る