第178話 墓所
アイシャ達も戦いを終えたようだ。
僕は敵を掃討していたので気づくのが遅れたけど、最後敵が自爆した時は肝が冷えた。
危なかったぁ。
アイシャ達を信じているけど、やっぱり戦いを任せるのは寿命が縮むよまったく。
・・・多分アイシャ達もそう思ってるんだろうけどね。
敵は薬の副作用で全員死亡しているようだった。
言い方は悪いけど、これで後腐れはなさそうだね。
僕の元にケヴィン達やアイシャ達、エルマさんやアリオスさん達が集まってくる。
こちら側に死者が出なくて良かったよ。
大怪我してる人はいっぱい居たけどね。
僕とメイちゃん、回復魔法が使える人達が大怪我した人達を治していく。
そうしていると、セルマさんと長老や巫女さん達がその場に現れた。
僕たちはみんなで、死者を地面に穴をあけた場所に集め、火魔法で荼毘に付した。
アンデッドになっても困るからね。
「リョウマ殿。この度はエルフ族をお救って頂いたことお礼申し上げる。」
長老やセルマさんが頭を下げる。
「何言ってるんですか。盟友なんでしょ?なら救うのは当然ですよ。気にしないで下さい。」
僕が笑顔でそういうと、長老は涙目になって・・ぐあ!?
なんだこれ・・・突然真っ暗になって・・・柔らかくていい匂いが・・・
「ああ!リョウマくんなんて良い子なのかしら!!エルマをやめて私の旦那にならない?いっぱい気持ちよくさせてあげるわよ?元人妻のテクニックを味あわせてあげるわ!!」
セルマさんの胸の中でした!
感極まって抱きしめたらしい。
顔がおっぱ・・・おっぱいに包まれ・・・
そこで唖然としていたエルマさんとアイシャ達がセルマさんを引き剥がす。
「お母さん!何してるんですか!!私をやめろってどういうことですか!!」
「エルマのかーちゃんそりゃ駄目だぜ!!リョウマはあたし達のもんだ!!」
「そうです!あげません!お兄ちゃんもしっかりして下さい!」
余韻でぼーっとしていた僕にメイちゃんがペチペチ頬を叩く。
「はっ!?僕は一体何を!?」
僕は正気に戻った。
アイシャ達がブツブツ文句を言ってくる。
アリオスさん達は呆れつつも笑っていた。
・・・しょうがないじゃないか・・・いくら桜花と付き合っていたって言っても、せいぜいキスしたくらいで、そういう行為はしていないから女の人には慣れてないんだよ!
「ゲフン!セルマもエルマもそのへんにしておきなさい。リョウマ殿、この後はどうされる?」
長老が言い争っていたエルマさん達を止め、仕切り直してくれた。
「まずは、墓標に連れて行ってほしいです。」
こうして墓標までみんなで移動する。
鍵を所持した人がいるとそのままたどり着けるらしい。
墓標には祠があり、祠の中にはバルムスの教会地下で見た祭壇があった。
ここが墓所か・・・
僕たちは一礼をしてから祠の中に入る。
祭壇には黒水晶があった。
僕が一歩前に出ると、黒水晶がいきなり光ってコトコト動き出し、僕に向かって飛んできた!
僕が黒水晶をキャッチすると、黒水晶は光るのをやめ、動きを止めた。
「・・・おそらくリョウマ殿に持っていけというジードの意思かもしれませんな。」
かもね。
僕の中にはジードの魂が封印されてるからね。
そうして僕たちは里に戻った。
そうそう、墓所はこれからも巫女さん達が管理するんだって。
何故ならここは僕たちの転移扉を設置したから。
ここなら鍵がない人は入れないし雨風を防げるし丁度いいからね。
僕たちの分の鍵は、エルマさんの首飾りを解析して作る予定です。
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