第157話 規格外2
僕の戦いが終わり、次はアイシャの試合・・・に行く前に。
「ギルマス。もうその人いりませんよね?出ていってもらったらどうですか?」
「なんだと貴・・・うっ!!」
鬱陶しい幹部が吠えようとしてきたので、殺気をぶつけて黙らせる。
「それとも次はあなたがやります?僕はいいですよ別に。やらないなら・・・約束は守って下さいね。」
僕がそう言って睨むとこいつはすぐにギルマスを見て口を開きかけたが、ギルマスがかぶせるように、
「お前は首だ。それと、お前の部屋をそのまま捜索させて貰う。噂通り不正の証拠が見つかればお前を断罪させて貰う。覚悟しておくように。」
そう言うと、がっくり肩を落とし、他の職員に付き添われ出ていった。どうも逃げないように監視するようだ。
さて、気を取り直してアイシャの試験を見るかな。
二人は訓練場中央に歩いていく。
ん?フィルさんなんか震えてるような・・・顔色も悪いし。
試合が始まった。
フィルさんにアイシャが何か話しかけている。
数回会話を続けると、フィルさんの顔に生気が戻った。
そして試合が始まる。
先制はアイシャ。
一気に距離を詰めて飛び込み様に蹴りを二発打つ。
フィルさんは転がりながら躱す。
そしてすぐに起き上がってアイシャの足を切り払う。
アイシャは宙返りしながら躱し、そのまま掌打を打つ。
危険を感じたであろうフィルさんはその場を飛び退くと、地面を抉るように穴があいた。
空破。
これはアイシャに教えた、魔力を攻撃に乗せて衝撃波として飛ばす技。
フィルさんは驚きつつも距離をつめ、アイシャの着地直前を狙おうとする。
しかしアイシャは着地する直前にフィルさんが放った斬撃を空歩で躱す。
フィルさんが空中で方向転換したアイシャに驚いていると、アイシャはそのまま空振りしているフィルさんに着地後すぐに飛び込み胴に膝蹴り。
まともに食らったフィルさんは前のめりになるが、追撃しようと肘を落とそうとするアイシャに、フィルさんは剣で突きを放った。
アイシャは剣の持ち手と逆側に飛び距離を取る。
仕切り直しとなったようだ。
「・・・あのアイシャもとんでもないな。お前のパーティはどうかしてるぞまったく。」
ギルマスが僕に呟く。
「そうですかね?アイシャの努力の結果ですよ。」
アイシャはいつも頑張ってるからね。
「しかし、これでお前たちがAランクってのはなぁ・・・この際Sランクにしちまうのはどうだ?」
そう言って幹部の面々を振り向くギルマス。
幹部は皆一様に悩む顔をしていた。
「まあその辺は任せます。僕らはそんなにランクこだわっていませんしね。体面が絡むのはギルドの方でしょうし。」
「・・・そうだな。ちょっとこの後幹部たちと話し合いをさせてくれ。その後ランクを確定させてもらう。」
「わかりました。」
会話を終えふとアイシャを見ると・・・ん?決まるかな?
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