第131話 突然の闖入者(3)

 

 リディアのお兄さんのアゼルは、とてもリディアの兄とは思えない位に傲慢だった。


 本当にこの人が家継ぐの?

 もしそうならメイビス家とは距離置きたいなぁ。


「話になりませんね。私はメイビスを出ます。お世話になりました。皆様行きましょう。」


 リディアは僕たちと共に書斎を出ようとした。

 すると、


「おい!いいかげんにしないか!!お前は俺に恥をかかせる気か!!」


 と言って、リディアの肩に手をかけようとした。

 

 ここまでだね。

 僕はアゼルの手を掴みひねり上げた。


「ぐあ!?離せ!!イタタタっ!!早く離せ!!」


 離すわけないでしょうに。

 僕はそのままアルザードさんを見て、


「アルザードさん、残念だけどこれを許すなら僕はあなた達と一緒には歩めません。申し訳ありませんが拠点の話も無かったことにして下さい。そうそう、もし、リディアをお話の言うとおりにするのであれば、僕はあなた方の敵になりますのであしからず。」


 そう伝えると、アルザードさんは、焦ったように、


「待ってくれ!私は既にそれは撤回するようにアゼルに指示を出していたんだ!」

「なら何故彼を止めないのです?明らかにリディアは嫌がっているでしょう?彼女はもう僕の仲間なんです。僕は仲間は何があっても助けますよ。何があってもね。」

「リョウマさん・・・」


 リディアが嬉しそうに笑っている。

 グレイスやアイシャ達もみんな笑顔だ。


「・・・私はメイビス家当主であるがアゼルは次期当主の予定だ。皆の前で叱責してはプライドを傷つけると思ったのだ。後から無理矢理にでも止めるつもりだった。」


 僕は、「離せ!痛い!おい!離せ!俺が誰かわかっているのか!」など叫んでいるアゼルを見下ろしてから、もう一度アルザードさんに視線を向け、


「長男が可愛いのはわからなくもないですが、人には適正があります。アルザードさんには悪いですが、僕は彼では荷が重いと思いますよ。」


 現実をわからせるようにそう告げるのだった。

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