第124話 リディアの父母との対面(1)


 馬車に揺られ、リディアの家に向かう。

 道中は順調でトラブルなんかもない。


 大変良いことですな!


 そうそう、


「リディアのお父さんってどんな人?」

「そうですね、見た目はかなりごついです。一応強さとしては王国でも有数と言われていますね。厳しい中にも優しさがあり、基本的にはこちらの意見も尊重してくれます。ですが、貴族らしく、家を優先する厳格さも持ち合わせていますね。」

「あと、リディアちゃんや子供を溺愛していますね。今回の旅も、シエイラが同じ学院に通うという接点がなければ、絶対に任務として指示しなかったでしょう。」


 リディアの後に、グレイスが続けた。

 なるほどねー。


「昨日ある程度話をしたんでしょ?どんな感触だった?」

「始めはあまり信じていない感じでしたが、最後は納得してくれましたよ。あと、この件はお母様と、執事のゼパスも知っています。この二人には私の判断でお話しました。後からの報告ですみません。」


 リディアが申し訳無さそうで言う。


「リディアが判断したのなら気にしなくていいよ。これからもそう言うこと出てくるだろうしね。僕はリディアを信頼しているから。」


 笑顔で僕が言うと、リディアはうっとりしながら、


「ありがとうございます。プロポーズですか?プロポーズですね?勿論了承しますよ。末永くよろしくお願い「違います!!」・・・ちぇっ」


 まったく油断も隙もない。


「にしてもよぉ、あたし達も一緒に行く必要あんのか?」

 アイシャがそう言うけど、リディアは、


「今後の事を考えたら顔つなぎはするべきでしょう。面倒をおかけしますがお付き合いください。」

「ううう・・・緊張します。」


 ごめんねメイちゃん。


 そのまま少し馬車に揺られる。


「あれがメイビスの館になります。」


 リディアが指差した方を見ると、広い庭と、大きな家、何人もの武装した兵士が見える。


 へー流石は公爵家だね。

 ジラートさんの家よりさらに大きや。


 馬車が門に近づくと、門扉が開いて中に入る。

 玄関まで到着すると、使用人と思われる人達がずらりと並んでいて、中央にはリディアによく似た女性が立っていた。


 馬車から降りると、その女性が、


「ようこそいらっしゃいました。リョウマさんとそのお仲間の方ですね。私はリディアの母のレイチェル・シエル・メイビスと言います。リディアを助けて頂いてありがとうございました。歓迎させて頂きますわ。」


と笑顔で言った。


 美人だなぁ・・・リディアがこのまま成長したみたいだ。

 色気も凄いし胸も・・・

 イテッ!?


 僕の足を踏みつけるリディアとグレイス、お尻をつねるアイシャとメイちゃん・・・

 僕の引きつった顔を見てレチェルさんがクスクス笑う。


「うふふ・・・仲がよろしいのですね。それではこちらにどうぞ。」


 僕たちはレイチェルさんについていく。


「リョウマさん、お母様は人妻ですよ。イヤラシイ目で見てはいけません。いいですね。」

「・・・はい。」


 耳元でそうささやくリディアに返事をする僕・・・ちょっと見ただけなのに・・・シクシク

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