第123話 アルメスに到着した夜 sideリディア(6)

「排除するだけです。」


威圧をしながらそう言う私にお父様は、ギリギリと歯ぎしりして睨んでいたが、ふっと力を抜いて諦めたように、


「・・・わかった。降参だ。お前の好きにするが良い。今来ている縁談はすべて断っておくとしよう。お前に切り捨てられる方が困る。戦力としても家族としてもな。」


 わかっていただけましたか。

 澄ました顔をしている私ですが内心小躍りしています。

 認めて下さるのは元より、面倒くさい縁談も一緒に消し飛ぶのはラッキーでした!


「それでは、明日の一の鐘がなり次第、リョウマさん達をご招待しますね。」


 これで、根回しは終わりです。

 今日はぐっすり寝られそうですね。


「これで難しいお話はおわりね。ねえねえリディアちゃん、もっとお話聞かせてくれる?お母さんリディアちゃんの見たことや知ったことをもっと知りたいなぁ。」


 その後、少し旅であった事などをにぎやかに話をしてから、グレイスとともに自室に戻るのでした。




その後の父と母と執事


母「にしてもリディアちゃんがあんなに、男の人を好きになるなんてねぇ。」

執事「感慨深いものがありますな。どちらかと言えば男性不信気味でしたから。」

父「碌でもないやつなら絶対に許すものか・・・」

母「あら?あなたリディアちゃんやグレイスに勝てないのに、その師匠に勝てるつもりでいるの?あの二人の話だと、まだ足元に届いていないって言ってたけど。」

父「うぐっ」

母「それに、あの子の兄のアゼルちゃんにも、もうリディアちゃんに相手ができたと説明しておいて下さいねぇ。」

父「うう・・」

母「私は反対したのに、二人して勝手に家柄なんかで、アゼルちゃんの友人と結婚させようとか言って、あの娘に黙って話を進めるからですよ。私は知りませんからねぇ。」

父「そ・それは・・・」

母「もし、話がこじれて、アゼルちゃんとリディアちゃんが揉めて、リディアちゃんが家を出ることになったら、私も一緒についていきますからねぇ。楽しそうですし。」

父「そんな!ま、待ってくれ!」

執事「それならば、僭越ながら私めもお役目を御免させて頂いて、奥様と共にお嬢様様についていきましょうかな。」

父「ゼパス!?」

母「嫌なら必死で説得することですねぇ。」

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