第125話 リディアの父母との対面(2)


 レイチェルさんの案内で館を進み、扉の前で立ち止まった。

 

「ここは主人の書斎になります。こちらで主人が待っておりますわ。お入り下さい。」


 ノックして扉を開けると中には、巨躯の男性がいた。

 年齢は40代半ばくらいかな。

 ・・・リディアがお母さん似で良かった。

 脇には年配の執事さんがいる。

 この人がゼパスさんかな。


「部屋に入って掛けてくれ。」


 リディアのお父さんがそう言うので、中に入って座らせて貰う。

 全員分の椅子が用意されていて、みんな着席した。


「さて、まずは名乗ろうか。私はアルザード・リヒャルト・メイビスという。初めに娘とグレイスを助けてくれたこと、ジラート卿を救ってくれた事の礼を言おう。娘から話は聞かせて貰って方針も決めたが・・・まずは君たちの事を教えてほしい。信じるに足るか否かを判断したい。特に・・・」ジロッと僕を見て「お前の事をな。」


 ・・・なんだろう?

 凄く敵意を向けられているような・・・?

 リディアは一体何を話したんだ?


「お父様?」

「・・ん”ん”、いや、すまない。話を進めよう。」


 リディアが目を細めると、途端にリディアのお父さんが咳払いをして居住まいを正した。

 なんだろう?


「君の事についてはリディアとグレイスから聞いた。魔神の弟子というのは本当なのか?」

「はい。僕は・・・私はジードの弟子です。次元穴を通じてジードの封印されていたところに迷い込んでジードが助けてくれたのです。簡単に説明すると異世界から来た、という事になります。」


 僕がそう言うと、リディアのお父さんは、


「・・・私は君の・・いや、お前の事を知る必要がある。だから普段どおり話せ。でなければ本当のお前がわからん。こちらも気を使うのはやめる。お前もそれで良い。」


 ムスッとしながらそう言った。

 すると、リディアのお母さんが、


「私もここからは普段どおりお話させて頂くわねぇ。リディアちゃんから色々聞いたわぁ。それに二人を強くしてくれたんでしょう?ありがとね〜」


 ・・・すんごいほんわかしてる。

 これが素か〜。


「わかりました。でも、ある程度の敬語は許してくださいよ?それに僕の仲間たちにも同じ措置でお願いしたいのですがいいですか?」

「かまわん。」


 これを聞いてアイシャとメイちゃんはホッとしていた。


「・・・よかったぜ。正直うまく敬語を使い切る自信がなかったからな。」

「はふぅ。緊張しました。」


 そんな二人にほっこりしていると、リディアのお父さんが、


「で、お前の話を証明するものはあるのか?」


と、聞いてきた。

 う〜ん証明するものねぇ・・・

 それって記録魔法でジードとのやり取りを見せるとかでも良いのかな?


「いや、私達は魔神の姿を知らない。お前が嘘をついている可能性も否定できない。証明には弱い。」


 そっかぁ。

 どうしようかな・・・


「そうなると証明は難しいですね。どうしたものか・・・」

 

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