第119話 アルメスに到着した夜 sideリディア(2)

 少ししてから、書斎にお母様が来られました。


「リディアちゃん!無事なのは手紙で知っていたけど顔を見て安心したわ!良かった!!」


 そう言って飛びつくように抱擁して頂きました。


 お母様は、名をレイチェル・シエル・メイビスと言います。

 既に30代後半と言って良いお年ですが、凄く若々しく、見た目だけでいけば20代半ばでも十分通じます。

 私がそのまま年齢を重ねたような見た目をしております。

 しかし、精神的にはもっと若いのではないかと思えるような言動と行動をされる事があります。

 結婚する前は、とても人気があり、求婚が絶えなかったと聞いています。 


 そして・・・胸はグレイスやアイシャさんを超えています。

 くっ!!できればリョウマさんにはあまり見せたくないのですが・・・いえ、私もお母様の娘!きっとコレくらい大きくなるでしょう!!


「それで、お話ってなにかしら?」


 抱擁を解いた後、お母様は私にそう言いました。


「その前に、ゼパスを下がらせて頂けますか?」


 ゼパスというのはお父さまの腹心の老執事。

 お父さまの幼少期からの世話役で、実力も確かです。


 私がそう言うと、


「それは話の内容で私が決めることだ。」


 お父様がそう言いました。

 こちらを見る視線は、少しきつい感じに変化しました。


 どうしましょうかね・・・

 腹心であれば、お父様を支えるゼパスの協力を得たほうが、結果リョウマさんのお力になれるかもしれません。


 この際巻き込んでしましまう。


「では、まずどこまでお話をするか、それとも否かの判断をさせて頂きます。先程お父様には説明しましたが、今からお話する内容は、決して他言無用ものになります。何故なら、王国どころか世界を揺るがすものとなるからです。ですので、他言無用を誓え無いのであれば、私達からお話することは限らせて頂きます。」


 私がそう言うと、お父さまは顔を怒らせて、


「お前どういうつもりだ!我が家の家命を忘れたのか!!当主に隠し事をするなど許されんことだ!ましては私は家長だぞ!」


と怒鳴りました。


「どうもこうも先程申し上げた通りですお父様。事態は既に、王国がどうとか言う話では無いのです。どれだけ凄まれようが私は意見を撤回しません。」


 私が、澄ました顔でそう言うと、お母様が横から、


「・・・話が見えないけれど、お父さんの言うとおりよ?あんまりおいたをがすぎるようならおしおきしちゃうわよ?」


と言って、魔力を高めてきた。


 お母様はその見た目と言動からは、とても考えられないような凄腕の魔法師です。

 過去に宮廷魔術師を務めていただけはあり、以前の私であれば到底敵わなかったでしょう。


 ですが・・・おしおき・・・ですか


「出来ますかね?」


 私も全力で魔力を放出しました。

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