第108話 メイちゃんの病気(1)


 突然メイちゃんが咳き込んで倒れた。


 僕たちは、驚いてメイちゃんに近づく。


「メイ!これを!薬を飲め!!」


 メイちゃんを抱きかかえて薬を飲ませようとするアイシャ。


 その時、予期せぬことが起きた。


 メイちゃんが苦しさのあまり身を捩って暴れはじめたんだ。


 その時、抱きかかえていたアイシャの手から薬の瓶が滑り落ち、地面の石に直撃した。


 瓶は割れ、薬が地面に染み込む。


「ああ、最後の一本が!メイ!メイ!」

 アイシャが泣き叫ぶ。


「リディアちゃん!回復魔法は!?」

 グレイスも叫ぶ。


「もうやっています!ですが、多少は緩和するものの、病気は回復魔法では治りません!どうすれば・・・」

 リディアも混乱しながら回復魔法を駆け続ける。


 落ち着け・・・リディアが回復魔法をかけているからすぐに命の危険はないはず。


 この間に打開策を考えるしかない!


 ジードの知識の中に、病気の知識は無かった。

 でも、状態が分かれば、もしかしたら現代の知識か、教わった魔法で解決できるかもしれない!


 よし!『鑑定』!


 【種族:狼人族 

  氏名:メイ

  職業:魔法師

  適正:光 水

  状態:呪いにより衰弱している。

     真神教徒が作成した呪い。

     真神教徒が作成した呪水を摂取

     した事で呪われた。

     真神教徒が作成した聖水(真神

     への祈りにより作成)を摂取す

     ると状態が緩和されるが、完治

     はしない。

     聖水摂取後2週間から3遊間で

     再度呪いが発症する。

     呪いが進行すると、苦しさのあ

     まり暴れて、聖水を摂取しない

     と死に至る。】


 何!?呪い!?

 でも呪いなら!


「みんな、しっかりとメイちゃんを押さえてて!!今から治す!」


 僕がそう叫ぶと、みんな驚いた顔をしたが、リディアとグレイスはすぐに僕の指示に従う。


「それは一体どういう・・・」


 アイシャが何言いかけるが、今は後だ!


『ディスペル』!


 僕が解呪の魔法を唱えたら、すぐにメイちゃんは大人しくなって、寝息を立て始めた。


 ふぅ・・・良かった。

 間に合った。


 とりあえず体力を消耗してるだろうから、回復魔法もかけて経過観察だね。

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