第107話 獣人の姉妹との食事(2)

 気になるアイシャのランクは・・・

「あたしはCランク、メイはDランクだ。」

 だってさ。


「そっか。やっぱりね。あいつらより強い気配を感じていたからさ。Cランク以上だとは思ってたよ。」


 僕がそう言うと、アイシャは苦笑いして、


「それを言うなら、リョウマ達は異常な気配だぞ。そっちの・・・グレイスだったか。そしてリディア・・・様、三人ともあたしよりも強い気配がする。」


 それを聞いていたリディアが、


「アイシャ、私も呼び捨てで良いですよ。気にしません。獣人の方とお知り合いになるのは初めてなのです。どうかお友達になって下さい。」


とアイシャを見てから言った後、メイちゃんを見て、


「勿論、メイちゃんもね。私とお友達になってくれますか?」

と言ったので、グレイスと僕も、


「私もだ。よろしく頼む。」

「当然僕もね。」


と言うと、メイちゃんはオロオロしてからアイシャ見てた。

アイシャはにこりと笑って頷くと、メイちゃんは嬉しそうに、


「はい!よろしくお願いします!」


と笑顔になった。


 うんうん。

 やはり、女の子は笑顔じゃないとね。

  

食事を終えた後、アイシャが、


「しかし、これからどうするかな・・・このままじゃ宿も取れないしなぁ・・・」


と困った顔で言った。


 僕と、リディアは顔を合わせて頷きあう。

 袖すり合うも多生の縁ってね。


「よろしければ、このまま私の護衛をして頂けませんか?勿論報酬はお支払いします。リョウマさんと臨時のパーティを組んで頂くのはどうでしょう?」

「そうだね。メイちゃんも馬車でゆっくり出来るしね。アイシャ達は信用できそうだしそうしなよ。」

「私としても賛成だ。一人でも実力のある護衛が増えるのは喜ばしい。」


 僕とリディアとグレイスがそう言うと、アイシャは僕たちをマジマジと見て、


「・・・良いのか?あたしたちは助かるが・・・」


「ではそうしましょう。そうと決まれば、冒険者ギルドに馬車を取りに行きがてら、臨時のパーティ申請をしてしまいましょう。」

 アイシャに食い気味に返事をするリディア。

 アイシャはじっとリディアを見た後、


「・・・ありがとう。」


と言った。


 その後、冒険者ギルドで手続きを行ない、バルムスを出立した。


 メイビス領まで予定一週間が本来の旅路だけど、そこは上手く回復と強化の魔法をこっそり馬に使い、ハイペースで進む。5日間位で着くかな。


「早いな。いい馬なんだな。」


 ごめんアイシャ。

 ズルしてます。

 馬に回復魔法と強化魔法使ってるんだよね。


 道中何度か魔物が出た。


 主に、ゴブリン、コボルトを中心に、たまに空を飛んでいる鳥の魔物であるキラーイーグルなんかが襲ってきた。


 平地の敵はアイシャとグレイスが、空の敵は僕が魔法で打ち落とした。


 アイシャの戦いを見せて貰ったけど、純粋な格闘タイプ。


 獣人の身体能力を上手く使っていた。

 うん、強いね。


 そんな感じで、野営予定地についたんだけど・・・異変は、野営設営が終わって食事後に起きたんだ。


「ゴホッ、ゴホッ、ああああっ!」


 メイちゃんに発作が起きたんだ。

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