第87話 冒険者ギルド(5)
ギルマスの案内で、地下に降りていく。
そこで少し待つように言われた。
さっき、冒険者としての登録用紙は事前に書くように言われたので、書いて渡してある。
といっても漠然と書いてあるだけだけどね。
リディア達と談笑しながら待っていると、ギルマスと、ギルドの制服を来た女性が何人か、後、男が三人降りてきた。
あれ?あの男は・・・
「おお!さっきの坊主じゃないか。お前が試験を受けるのか。俺は【迅雷の斧】という、Aランクパーティーのリーダーをしているドレンという。お前の試験官だ。よろしく。」
へー・・・Aランクなんだ。
「よろしくお願いします。」
僕がそう返すと、男は少し驚いていた。
何か変なこと言ったかな?
「それでは、開始位置をそれぞれ部屋の右端と左端とする。健闘を祈る。」
ギルマスがそう言って、試験官たちを連れ、端の方へ移動した。
僕たちも反対の端の方へ移動する。
「僕なんか変なこと言ったかな?」
さっきの反応が気になった僕は、リディア達に聞いてみることにした。
すると、シエイラが、
「一応、彼らはこのテロア領では一番有名なパーティーですからね。試験官をするという事に特に反応しなかったリョウマさんを不思議に思ったのでしょう。普通の人であれば、勝つのは絶望的ですからね。普通の人なら。」
と、言った。
あーそういうことか・・・まあ僕はいつも通りやるだけだけど。
向こうを見ると、あちらも、僕たちを見て何やら話し込んでいるようだった。
そういえば・・・
「僕ってどれくらいの力を出せばいいのかね?」
と、参謀であるリディアに尋ねる。
するとリディアは、
「お好きなようにして下さい。一撃で倒すも良し、見せ場を作ってあげてから倒すも良し。ただ、一つだけお願いしたいのは、苦戦せず勝って欲しいのです。出来ますか?」
当然です。
でも理由は教えて欲しいなぁ。
「相手に付け入る隙を与えないためです。あのギルドマスターの言うように、実際にはやっかみなどがあるでしょう。ですので、Aランクを圧倒できる強さを示すことで、抑止しようと思います。」
なるほどね。
でも、他の冒険者の見学者はいないけど?
「多分、箝口令が敷かれるでしょうが、人の口に戸は建てれません。ギルド職員や、あのパーティーから、それとなく広まるでしょう。リョウマさんの強さが。」
さっすがリディア!腹黒・・・
ギロッ!!
めっちゃリディアに睨まれた。
怖い・・・・
さて、準備は出来たかな。
ギルマスがこちらに合図を出す。
僕は腰に木剣を差したまま、てくてくと相手に向かって歩いていった。
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