第70話 フェイルの驚愕 sideフェイル
この小僧はかなり手こずらせてくれたな。
これほどの力を持つとは一体何者だ?
勇者かとも思ったが迷子だと?よくわからん奴だ・・・
まあいい。
それも、魔神の力を取り込んだ、我の敵ではなかったようだ。
これほどの力は惜しいが、こいつは危険だ。
殺せるうちに殺すとしよう。
我が、止めをさすため、小僧の頭を踏み砕こうと、足をあげたところで、小僧の体から凄まじい力の奔流が流れてきた。
なんだ!?しかしもう遅い!
我は急ぎ足を踏み降ろす。
しかし、その足首を小僧に掴まれ止められてしまった。
むぅ!?外せんだと!?
足を外そうとしていると、
「好き放題やってくれたな。でも、それも終わりだ。」
そう言って小僧は顔を上げた。
その目を見て気圧される。
何!?我が気圧されているだと!?我は魔神の力を手に入れた超越者だぞ!!
こんな小僧に気圧されるわけがない!!
しかし、我をあざ笑うかのように、小僧は、
「お返しだ。」
と言って、我の足を持ったまま腕を振り上げた。
我の体は浮き上がり、そして、そのまま地面に振り下ろされた。
「ぐはっ!!」
何故力が急に増したのだ!?先程までとは雲泥の差だぞ!?
小僧はそのまま我を放り投げた。
地面を滑り距離があいた。
ダメージはあったがそれほどでもない!
我はすぐさま立ち上がる。
「僕は事情があって全力は出せないけど、今は半分くらい出せる。それだけだせればお前くらいどうってことない。」
小僧は立ち上がってそう言った。
「減らず口を!!」
ハッタリだ。ハッタリだろう!ハッタリでなければならぬ!!
我は、すぐさま、先程の腹部への一撃と同様の速さで飛び込み、右手で突きを放つ。
しかし、小僧は、半身になりながら、その突きを右手で受け流して掴み、右肩をぶつけ我の肘を折り、そのまま左足で一歩前に出ながら、左手を鞭のように我の顎、胸、みぞおちを同時に打つ。
「がっ!!」
なんという衝撃か!!
一瞬意識が飛びかける。
そして、小僧は、さらに一歩出ながら、そのまま右手を水平に折り曲げながら肘打ちを胸に打ち込んできた!
「っっっ!!」
意識は引き戻され、痛烈な痛みが走る。
何故だ!何故急にこれほどの威力を!何故!何故!何故!何故!何故だ!
我はなんとか連撃を止めようとして、右足で顔面を横蹴りした。
小僧は、体勢を低くしてそれを躱し、
「これで終わりだ。」
飛び上がりながら左足で顎を蹴り上げ、着地様、また飛び上がりながら右足で
顎を蹴り上げた。
その瞬間、我の体中からビシリ!!という音が響き渡った。
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