第69話 力


 ジードの力のかけらを、取り込んだフェイルは、圧倒的だった。


 腹への一撃食らった僕は、倒れ伏してしまった。


 今、まさに、フェイルが僕に止めをさそうとしているのがわかる。


 このまま僕が死んだら・・・みんなはどうなる? 


 こいつの妄想通りにしていいはずがない!


 それに・・・桜花・・・


 僕はもう一度、家族や桜花に会うと決めている。


 ジードやセレス様を救うと決めている!


 負けられるか!


 一か八かだ。


 僕は、自分の体にジードの魂を封じている。


 ジードの魂は強大なため、そのままでは僕の身体が保たない。


 そのため、僕の力の7割は封印に割いてある。


 この封印の内三割を解く!


 長時間は身体自体が保たないし、なにより、ジードの魂が少しずつ離れてしまう。


 器がない今はそれはまずい。


 もって五分!


 それまでに決着をつける!


 僕は封印を解いた。


 その瞬間、僕の体から力が吹き荒れる!


 フェイルは驚愕したが、そのまま、僕に止めをさそうと、足を振り下ろしてきた。


 僕はその足を掴んだ。


 反撃はこれからだ。


 

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