第24話 領主との会談~娘を添えて~ (5)

 僕はジャンピング土下座をしながら、

「すみません!わざとじゃないんです!誤解なんです!」

と謝り倒した。

 

 リディアは、

「・・・もういいです。顔を上げてください。わざとじゃないのはわかっています。グレイスもいいですね?」


「・・・はい。まあ、見られたのはリョウマだけですし・・・ごにょごにょ。」

 

 何かグレイスが言っているが、聞き漏らしてしまった。


 なんだろう?


「リョウマさん、今回は許しますが、次からはノックくらいして下さい。いいですね?それと、今回のことは、責任を取って頂きます。今すぐではありませんが・・・今回の依頼が終了するまでに。」

 

 うぇ!?責任?責任かぁ・・・まあ仕方がないか。


 彼女だったあいつですら、着替え見ちゃった時に、折檻されてから罰で、色々連れ回されたくらいだし・・・


「わ・わかりました。ちなみに、責任とはどのような・・。」


「それはその時にお話します。・・・まあ、そう悲壮な顔をしないで下さい。そんなに無茶苦茶なことは言いませんよ。そんなにね。ふふふふ・・・」

 

 怖い!

 怖いよ!

 公爵令嬢怖い!


 僕がガクブルしていると、横からグレイスが、


「勿論私もだぞリョウマ。楽しみにしていてくれ。」

 

 にやにやしながらそう言ってきた。

 

 くそう・・・焚き火の時には、自分から脱ぐとか言ってたのに・・・はぁ、

 仕方がないか。


 こういうときは男が悪いと、散々あいつに言われてたしなぁ・・・


「わかったよ。二人共本当にごめん」 

 

 僕が、もう一度真剣に誤ると、リディアが、


「うふふ。リョウマさん本当にもういいですよ。立ち上がってくださいな。謝罪は受け取りました。・・・ところで、一つお聞きしたいのですが・・・その・・どうでした?」

 

 はぁ?何が?

 僕が首をかしげていると、リディアは、頬を赤く染めて上目遣いで、


「ですからその・・・私たちの下着姿を見た感想ですよ。やはり、女性として気になるというか・・・」

 

 えー!?そんなの言わなきゃだめなの!?


「だめです。」

「心を読まないで!?」


「それは私も気になるな。といっても、私の下着は、あまり装飾のない可愛くないものだったが・・・どうだろうか?」

 

 グレイスも、頬を染めて、指をもじもじさせながら言う。

 うー二人共可愛い・・・

 

 二人が、ずっとその態度をやめないので、僕は、溜息を大きくついて、意を決して言った。


「その・・・なんていうか・・・二人共似合ってたよ。綺麗だった。リディアはとても美麗な下着でその・・・リディアの雰囲気にあっていて、色もピンクで可愛くて・・・グレイスのは、色やデザインは紺色で地味だったかもしれないけど・・それが逆に、グレイスの健康的な美しさと、スタイルの良さを強調していたので・・・ごめん、これ以上は言えない。恥ずかしい・・・」

 

 僕は、真っ赤になりながらそういった。

 

「「・・・・・・・」」


 無言かい!!

 意を決して言ったのに無反応は辛い!!

 

 そう思って、二人を見ると、二人共俯いてもじもじしていた。

 

 顔はよく見えないけど、耳が赤くなっている気がする・・・どうしたんだろう?

 

 すると、二人はしゃがみこんで、何やらこそこそ話している。

 なんだろう?


「おねえちゃん・・・やばいです。リョウマさんはやはり女性の敵です。こんなにしっかりとした回答がくると思いませんでした。しかも・・・私、今凄く嬉しいです。」


「リディアちゃん・・私も同じです。やばいよぉ、こんなのもっと好きになっちゃうよぉ・・・」

 

 二人は、プルプル震えながら、小声でしゃべっている。

 

 人に恥ずかしいことを言わせて、ほったらかすとはなんて奴らだ!え?ブーメランって何のこと?

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