第22話 領主との会談~娘を添えて~ (3)

 皆さんこんにちは。

 

 みんなのアイドル、リョウマたんです。

 

 今日は、僕のライブに来てくれて、ありがと~!!

 それでは聞いてください。

 「私の彼は左曲がり」


 

 と、冗談はこれくらいにして、何やら伯爵が、質問あるみたい。

 

 なんだろうね。


「話せることであれば。」

 

 僕がそう答えると、伯爵は、


「君は、リディア様の護衛を、全滅させるほどの盗賊を、逆に、無傷で全滅させることができたと聞いた。事実かね。?」


「事実ですね。」


「そして、王国が誇る、5剣姫の一人が勝てないと明言する。間違いないかね?」


「僕は、5剣姫を知りませんが、グレイスと勝負するのであれば、負けませんね。」


「・・・なるほど。次の質問だ。君はどこの生まれかね?」


「ここよりはるか東にある田舎です。ちょっとダンジョントラップに引っかかって、飛ばされてしまったのです。」


 これは、リディアが考えてくれた言い訳。

 ダンジョンか・・・行ってみたいなぁ。


「わかった。最後の質問だ。君は勇者かね?」


 これを聞いて、リディアとグレイスがピクリと動いた。

 シェイラさんが目を見開いている。

 

 もちろん僕は・・・


「いいえ、勇者ではありませんただの迷子です。」

 

 僕がそう言うと、伯爵とシェイラさんは、眉根を寄せている。

 

 何か変なこと言ったかな?


「・・・いくつか、そう言う理由はあるが、君がそう言うなら今はいい。ありがとう。」

 

 そう言って、伯爵はリディアの方を向き直り、


「話し込んでしまいましたが、おつかれでしょう。これで、お開きとしましょう。本日は、私の屋敷にお泊まり下さい。私は、これより少し、仕事で出かける事になっています。晩餐でお会いしましょう。何か用があれば、メイドまで御用命下さい。」


と言った。


「わかりました。お気遣いありがとうございます。晩餐まで、少しお休みさせていただこうと思います。昼食を部屋でいただくことはできますか?それと、リョウマとグレイスは、私の護衛をしていますので、できれば、隣の部屋にしてただけると嬉しいのですが。」


「勿論構いません。そのように手配しましょう。」


「ありがとうございます。それでは晩餐でお会いしましょう。シェイラさん、三の鐘が鳴ったら、お茶会でもいかがでしょうか?積もるお話もありますし。」

 

 この世界は、僕のいた世界基準で、三時間周期で、鐘を鳴らす習慣があるらしい。

 

 最初の、一の鐘を午前9時ころとして、午後6時ころまでで、計4回あるんだって。

 

 だから三の鐘は午後3時のおやつ時だね。

 

 リディアがシェイラさんに言うと、


「ええ!お話できるのを楽しみにしてますわ!リョウマさんもよろしければどうでしょうか?」


と言ってきた。


 お茶会かぁ・・・う~ん僕はそれよりも・・・


「ちょっと僕は、休ませていただこうと思います。何せ、ここまで睡眠を取らずに来たものですから、体調を戻しておきたいのです。すみません。」


「そうですか・・・残念です。ではまたの機会に。」

 

 しょんぼりしちゃった。

 

 リディアはジト目僕を見てる。

 なんで?

 

 まあ、断った理由は、あとでリディア達には、説明するとして・・・


「それではジラート卿、私たちは、失礼させていただきます。」

 

 そう言って、リディアは席を立って、僕たちと部屋を出た。


 背中に伯爵の視線を受けて。

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