第8話 魔神と呼ばれたモノとの出会い(2)

 僕はジードがよっぽど酷いことをしたのかな、と思っているとジードは 


「我は何もしておらぬよ。小競り合いぐらいはしたがな。神は我の力が気に入らなかっただけだ。そこで世界の管理者として力を行使したのだ。我はこう見えてどちらかといえば人類種や動物が嫌いではない。虐殺などしたこともない。しかし神は自分を超える力を持つ我が気に入らなかったらしい。」


 僕は腹が立った。

 実際ジードが優しいのは明白だ。

 それに気になることもある。


「神は世界の管理者?造物主じゃないの?」


するとジードはにやりと笑って言った。


「よく気づいたではないか。その通り。造物主はおそらく創世神と呼ばれる者だろう。まごうことなき神だな。しかし歴史上この者は姿を現したり神託をおこなったことはないはずだ。あくまでも創世するのみでそのあとは管理者が管理する。こいつが神を僭称しているだけだろうよ。」 


「管理者は何人かいるの?」


「たしか2人・・・一応二柱と言っておこうか。しかし一柱は封印されていたはずだ」


 封印?


「そうだ。女神セレス。この者には会ったことがある。神を名乗ってものおかしくない慈愛に満ちた性格をしておりとても美しかった。神託は基本この女神の名を持って下る。

 しかしもう一人の管理者が我を殺すための神託をする直前に不意打ちでセレスを封印をしたらしい。もう一人の名はヴァリス。今はこやつがセレスの名を騙っているはずだ。」


 許せない。

 そう感じた。

 女神を封じ優しいジードを封じ理由はただのわがまま・・・クソ野郎だな。


「はっはっは。ありがとう龍馬よ。そう思ってくれて嬉しい。我はお前を気に入った。」


 僕もだよ


「ふふふ・・・。さてでは龍馬に聞こう。今後どうする?我とずっと居ても我は構わないが・・・元の世界に帰りたいか?」


 そうジードは言ったんだ。


「帰ることができるの!?」


 僕は興奮して聞いた。


「とても困難で可能性があるという位だが・・・ゼロではない。並大抵の苦労ではないがな。どうする?」


 勿論僕はこう答えた。


「なんでもやる!どれだけかかってもいい!僕は帰りたい!!」


 ジードは真剣な眼差しでもう一度問う。


「嘘偽りは無いな。覚悟は良いか?」


 かまわない。

 なんでもやってやる!もう一度みんなに会うんだ!!


「よろしい。ならば我の弟子となれ。ここは時間の流れを超越したところにある。長い年月をかければ我に届く強さを得られるかもしれぬ。少なくとも最低限の強さを得なければ目的の達成は不可能だ。食事などについては我に考えがある。どうだ?」


 望むところだ!

 

 そうして僕の修行が始まった。

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