第9話 修行 

 ジードとの修行は多岐に渡ったよ。


 身体の強化と運用方法、魔力の使用法とその増加、魔法の習得、知識を得ること・・・どれもとても大変だった。

 ジードは魔神と称されるくらいなんでもできたんだ。


 でも時間だけはとにかくあったからね。

 必死で覚えて必死で修行したよ。


 どれくらい修行したのか・・・もう覚えてないけど100年や200年ではなかったかな・・・もとの世界のこともほとんど忘れちゃうくらい長い間修行したよ。


 寂しくはなかったかな。

 ジードがいたからね。

 もちろん修行は厳しかったし、修業時間中は師匠と呼んでいたけど、それが終わればジードとは友達みたいな関係だったかな。


 ジードは何もない空間に自分で作りだした空間を重ねて家を作ったりしてたよ。

 スキルって言ってたかな。


 そこには食料を召喚したりお風呂もあったんだ。

 温泉だよ。 


 ジードは普段体を人型にしてたんだ。

 というより最初に見た姿は、魔力とスキルを併用した鎧みたいなものなんだって。 

 本当は僕たちとあまり変わりがない姿だった。

 

 角は生えてたけどね。

 だから生活空間は常に一緒だった。

 ご飯作ったりするのは弟子としてやってたけどね。

 それくらいしかお礼できなかったし。

 

 それでね、ある日ジードが僕に自分と戦うように言ったんだ。

 本気でね。

 

 それまでも勿論組手はあったよ。

 だけどその日は違ったんだ。

 ジードは本気だった。

 

 一週間くらい戦い続けたよ。

 その頃には僕もジードにある程度食らいついていけるくらいには強くなってたからね。

 

 当然最後には負けちゃったけど。

 最後に見たジードの本気の姿・・・対神用兵装はとんでもなかった。

 危うく死にかけたよ。

 

 でもね、ジードは認めてくれたんだ。

 免許皆伝だってさ。

 

 僕はその頃にはなんで強くなろうとしてるのか、なんでその空間にいたのかは覚えていなかったんだよ。


 だからジードは修行を始める直前に、スキルで僕から写した記憶をもう一度転写してくれたんだ。

 

 全てを思い出した僕はぼくのいた世界に帰りたい気持ちを思い出した。

 

 そしてジードは今後の計画を話してくれたんだ。

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