第6話 どこにでもいる普通の高校生
僕の名前は三上龍馬、高校2年生である。
僕の成績は、300人中150番位、剣道を習っていて、体鍛えているからかスポーツはまあそこそこなんでもできる。
僕の名前をつけたのは、坂本龍馬を尊敬する父親。
父親と母親との仲は良好で、僕が見ていてもイチャイチャ腹が立つ位。
子供の前ではヤメロ。
好きなものは、ゲームやラノベ、ラノベに触発されて始めたギター。
あとは、ちょっと珍しいけど、母親が中国映画が好きで、小さな頃から八極拳の道場に通わされてる。
道場では強い方かな。
まあ体動かすの好きだし、格闘技も面白いし、何よりちょっと普通は習わないのやってると、他の人と違って、こんな普通の僕でも、特別な何かになれたと錯覚できるのが楽しくて、今も続けている。
そんな、これといって普通な高校生にも、つい昨年、彼女が出来た。
クラスメイトの女の子で、幼馴染・・・ではないか。
中学校で仲良くなった子で、高校も一緒。
剣道やってるからか、結構気が強くきつい性格で、最初はよく注意されてて嫌いだったんだけど、あることがきっかけで仲良くなることができた。
それからは、よく一緒に遊びに行ってたんだけど・・気づいたらその子のさばさばした性格と、本当は優しいところが好きになって、告白したんだ。
実は向こうも、中学校3年生の時には、僕のこと好きになってたみたいだけど、振られて関係がかわっちゃうのが怖くて告白できなかったんだって。
なんでもっと早く告白しなかったんだ!って怒られた。
理不尽。
だって恋愛感情に気づいたの中学三年の終わり頃だもん・・
そんなある日、二人で学校登校中に、突然目の前で爆発音が聞こえた。
僕は、咄嗟に彼女を庇って前に出ると、5メートル位先の空間に、黒い穴があいていた。
空間に穴・・・我ながら何言ってんだと思うけど、そうとしか言いようにない。
びっくりして二人で固まっていると、突然周囲の物が、中に吸い込まれ始めた。
僕は、彼女の背を押し「逃げろ!!」て叫んだんだ。
彼女が走り始めたので、僕も走ろうとしたところ・・吸い込む力が強くなり、体勢を崩したんだ。
彼女は立ち止まろうとしたけど、僕は彼女に「止まるな!!」と叫んだ。
そして、そのまま僕は吸い込まれてしまったんだ。
最後に見たのは、収縮して閉じる穴と・・・泣きそうになりながら、「龍馬!!」と叫び、手を伸ばす彼女の姿。
僕は、穴が完全に閉じきったのを見届けながら、彼女が無事だった事の安堵と、自分の身にこれから起こる恐怖を感じながら、意識を失った。
目が覚めると何もない空間。
辺りは暗いのに、はっきり見えるという不思議。
空気があるかどうかはわからないけど、息は吸える模様。
体の痛みは無いし、頭ははっきりしている。
状況が把握できないけど・・・ここにいても仕方がないと、とりあえず歩き始めたんだ。
僕は腕時計をしていたんだけど・・・・針が動かない。
壊れたかなと思った。
あてどなく歩きつづけてどれくらいたったのだろう。
お腹がすき身体は痛い・・・僕は一生ここから出られないんだと絶望した。
泣きながら歩いて歩いて・・・ついに倒れてしまったんだ。
僕は死を覚悟した。
父さんに会いたい、母さんに会いたい、じいちゃんばあちゃんに会いたい、師匠に会いたい・・・彼女に会いたい・・・みんなごめんね・・・
(龍馬!!)
僕が目を閉じかけると、彼女の声が聞こえた気がした。
泣きながら僕の名前を叫ぶ彼女。
死ねない。
僕はまだ死ねない。
生きたい。
生きなきゃ。
そう思って目を開けた時に
「こんなところに何故人の子がいる?」
と重々しい声が聞こえた。
僕はそれを聞いて力を振り絞って前を見た。
するとそこにいたんだ。
とんでもなく大きく何か強いチカラを感じる存在が・・・
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あとがき
彼は自分が普通で平凡な高校生だと信じ切っています、が実際はそうでもありません(笑)
追々判明していきます。
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