第4話 焚き火を囲んで(1)

「実は私は・・・・公爵家の者で・・・フルネームはリディア・リヒャルト・メイビスと言います。私は公爵家現当主の三女となります。そして私の家は王国より治安維持を仰せつかっています。本来であれば王国軍が治安維持を担当しています。

ですので私たちは裏で暗躍する貴族やそれを支援する裏組織等を陰ながら取り締まっています。このことはある程度の上位貴族は知っています。当然それを心良く思っていない貴族もいます。そのため敵は数多くいます。」


 リディアさんは語りだした。

 驚きです。

 可愛い可愛いと思っていたらまさか公爵家の姫様とは。


「ふーん」

「それだけですか?」

 グレイスさんが僕の反応に驚きを見せます。

 そんなに変?


「それ以外になんと言えば?・・・可愛い姫様ですねとか?」

「か・かわ・・・」


 リディアさんが真っ赤になっています。

 可愛い。


「んんっ・・それでですね。今回バルムスに行く目的はバルムスで最近突然人が凶暴になって暴れるという事件が多発しているらしいのです。最初は軍が対応していたのですがどうもそこには何らかの薬が関係しているのではという情報を入手しました。


そこで現地調査と領主からの聞き取り調査をすることになりました。しかしあくまでも事件捜査は表向きは軍の仕事です。そこで私が行くことになったのです。」


「んーそこがわからない。なんで姫様が直接行く必要があるの?息がかかった人じゃだめなの?」


「それは一つは領主が関係している可能性が捨てきれないこと。そしてもう一つは領主の娘は私の学友だからです。それも良好な関係を結べている。ですのであくまでも表向きは領主の娘に会いに行くというものになっています。現在通学している学院の夏期休暇中ですので暑中見舞いとでも申しますか。」


「はーなるほどね。」


 納得できる話だった。

 美人の友達は美人というけれどやっぱ領主の娘は美人なんだろうか?


「そして訪問途中盗賊に襲われました。私の護衛は20名ほどいましたが・・普通の

盗賊など物ともしない精鋭だったのですが・・・まさか襲ってきたのが有名な赤月だとは思いませんでした。

 一人、また一人と護衛が倒れ残すは私とグレイスだけになりました。奴らは女性である私たちは殺すなと指示をだしていました。このまま生きていても女性としての尊厳を奪われ生きていくだけ・・・もう自害するしかないと震えていたところにリョウマ様が現れたのです。本当に・・・あり・・がとう・・・ございました・・・」

 

 リディアさんはそう言って嗚咽まじりに涙を流しはじめた。

 助けることができて良かった。


「私からも礼を言わせて欲しい。君がどこの誰かはまだわからない。その強さ、状況、怪しいことこの上ないが・・・それでも私も君に救われた。私は姫様に幼少の頃よりお仕えしている。立場を恐れず言えば妹のようにも思える姫様を守りきれず絶望していたところだった。ありがとう。」


 グレイスさんがリディアさんを抱きしめながら言った。

 本当にこの二人を助けることができて良かった。

 確かに姉妹みたいだな。僕は少しリディアさんが落ち着くのを待った。

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