第3話 戦闘を終えて
僕はボスの喉に刀をつきつけた。
ボスは既に無抵抗だ。
「おーい。一応ボス生かしてるけどどうする?」
と僕は殺気を抑えてから呆然としている美人さんたちを見ながら言った。
う~ん少し間の抜けた顔も可愛いですね。
美人は得だな。
「おどろいたな。とんでもない強さだ。動きがほとんど見えなかった。その剣?もどこから出したかわからないし魔法は無詠唱で強力・・・そこの頭目の言ったことではあるが何者なんだ?冒険者なのだろうか。それともやはり勇者?」
と矢継ぎ早に話してきた。
でも表情が今は強ばっている。
後ろの銀髪ちゃんも同じ。
助けたのになぜ?切ない・・
「いいえ勇者じゃないです。迷子です。まあ質問は後にして今はボスのことを聞きたいんだけど・・・」
と言ったところで初めて銀髪ちゃんが口を開いた。
「まずはお礼を申し上げます。私の名前はリディア。家名は・・・申し訳ありません。お許し下さい。こちらは私の家で騎士をしているグレイスと言います。私たちを助けていただきありがとうございました。その頭目は依頼者と口にしました。情報を吐かせる必要があるので連れて行く必要があります。つきましてはそこまでご協力いただけないでしょうか。勿論お礼はいたします。」
と言って頭を下げた。
グレイスさんも頭を下げる。
う~ん協力か・・・まあ渡りに船か。
僕も知りたいことがあるしね。
沢山。
「いいですよ。ならこいつには寝ててもらいましょう。『ディープスリープ』」
僕は手のひらを向けて昏睡魔法をかける。
これで2.3日起きないだろう。
二人は驚愕し僕に警戒感を露わにしていた。
僕そんなに胡散臭い?・・そりゃそっか。
突然出てきて盗賊多数を蹂躙し意味不明な魔法を使う・・・怪しいわな。
でも、これには事情がある。
それは僕の強さにも現れた状況にも言えること。
それを話すにはこの二人が信用置けるのか僕の方こそ見極めなければいけない。
どの道協力者は必要だしね。
「僕は龍馬と言います。そんなに警戒しなくてもいいよ。怪しいのは100も承知だしね。まずは話をしてみない?それで僕が信用おけないなら僕の役目は頭目を君の指定するところまで連れて行くまででもいいしここから今立ち去ってもいい。
ちなみに僕にも事情があるから話せない事も多い。このままならね。
逆に僕が君たちを信頼できるなら僕の事を詳しく話すかもしれない。無理強いはしないよ。どうする?」
するとリディアさんは覚悟を決めた表情で
「私リョウマさんを信じてみようと思うの」
とグレイスさんに向かい言った。
グレイスさんは複雑そうな表情で頷く。
これは迷っている顔だな。
まあこの人はリディアさんを守らなきゃいけない立場だからな。
本当にまずいと思うとき以外は付き従うのだろう。
「リョウマさん。では私たちの事情を先にお話します。実はですね・・・」
とリディアさんが言いかけたので僕は
「ストップ。待ってください」
と言って止めた。
リディアさんは驚きつつ何故か尋ねてきたので
「とりあえず野営ができるところまで移動しません?設営後に食事でもしながらゆっくりお話するというのでどうかな?ここ血なまぐさいし獣が寄ってきそうだしさ」
と説明したところもっともだという事になりとりあえず街に向かい移動を開始することにした。
ボス?彼は一応縛って止血もして馬車の荷台にくくりつけてるよ。
なんか盗賊の討伐証明として、奴らの武器か防具を持っていくと懸賞金もでるらしいということで荷台は三十人分の武器も乗せてある。
いくらになるかな。
道中二人から簡単な話を聞くと、今から行くのは王都に一番近い都市でそこそこ大きいんだと。
二人は王都から仕事でその街、バルムスというところに行く途中だったらしい。
そこを盗賊に襲われたんだけど・・・運が悪いとは違うっぽい。
そこはまた後ほど詳細に聞くことになる。
バルムスは明日には着くが今夜は野営。
馬車で野営可能なところまで移動して野営場所の設営をした。
そして食事を作ることになったのですが・・・なんと二人共料理ができないらしい。
きれいな女の子の手料理食べたかった(泣)
まあ僕は料理嫌いじゃないので担当を名乗り出た。
グレイスさんに護衛を任せて近くの森へ。
そこで野生のウサギを三羽みつけたので二人の持っている調味料で味付けしてシチューを作った。
知ってる調味料によく似てたからよかった。
腹も膨れボスの状態も確認・・・よく寝てる。
焚き火を周りに集まった。
そしてリディアさんは口を開いた。
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