第2話

 小説家の朝は早い。


 朝5時起床。

 コップ一杯の水を飲み、軽いストレッチ。15分のランニング。シャワーを浴び、牛乳とバナナ。そして、執筆開始。


 俺の本職はライトノベル。アニメ化するほどヒットもしないが、売れていないというわけでもない。

 大金持ちではないが、生活には困らない。田舎とはいえ、中古の一軒家も買えた。文章だけで食っていけるのだから、立派に小説家を名乗ることができるだろう。

 独身だが、決して不自由していないし、俺は一人の時間が好きなのだ。


 朝3時間の執筆作業を終えると、近くのカフェに行く。

 そこで、アイスコーヒーを飲みながら、読書にふける。


 スーパーで夕飯の材料を買って帰宅。

 映画でも見ながらゆっくり一日を終える・・・・・・はずだった。


「なんだ……これは……」


 俺は思わずスーパーの袋を地面に落とした。

 そう。

 自宅の扉に、禍々しい紋章が刻まれていたからだ。


「な、な、なんだこれは!!!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る