アブノーマル3
「教官殿!自己紹介をさせて頂きます!」
ベリーショートじゃなくって、スキンヘッドに近い短さの、ええとこれってなんていうんだっけ・・・・・・・
あ!
「五分刈り!」
「なぜわたくしの名前を!?」
「えっ・・・・」
彼女は敬礼を解かぬままに大音声で名乗ったよ。
「
「も、
「教官殿!」
「は、はい!」
「敬語など使わんでください!」
「わ、わかりま・・・わかった・・・・よ、よろしく・・・・・」
「コラぁ!」
ひ、ひいっ!
け、敬語使うなって言ったからそうしたのに、叱られたぁ!
と、思ったらわたしに言ったんじゃなかったみたい。
「さっさと教官殿にご挨拶せぬか!このスローモーがぁ!」
「あらぁ、マニアちゃん怖がってるわよぉ。ねえ、やぁよねぇ、こんな怒鳴ってばっかりの角刈り女」
「角刈りではなぁい!エッジショートだぁ!」
違うと思う。
「ふふふ。
「い、いや。わたしの名前も大概冗談なので」
「あらぁ、コンプレックスだったのねえ、わたしもよぉ。だからねぇ、どうせならって名前の通りジャンボジェットのパイロットになろうと思ってそうなったのよぉ。マニアちゃんもそうでしょぉ?」
「ま、まあ・・・・」
梨子もジェトも間違いなくふたりとも変人だけど、最後のひとりが変人を通り越して狂ってる、って思うレベルだった。
「
「え・・・・?某さん・・・・?」
「貴様ぁ!」
「ひぃ!」
「教官殿になんていう口の利き方だぁ!銃殺するぞぉ!」
「騒。黙」
「おのれは!自分の名前さえマトモに言えんのかぁ!」
「・・・・・・・
「え?え?」
「ふふぅ。きよりちゃんはねぇ、『自分は整備のプロだ。名前の通り整備の鬼だ』って言ってるのよぉ」
わたしは石嶺の右手首をひっつかんで全力で彼女らから10m離れた。
『石嶺さん!全員まごうことなきマニアック女子じゃないですか!これ以上わたしに何を教えろと!』
『彼女たちは既に
悔しいけど、3人とも、一般人のわたしなど及ばないほどの美形だ。
短髪で頭部顔面の輪郭を丸晒しにして完璧にバランスの取れた梨子。
天然くりくりヘアーで眉は8時20分でにこにこ垂れ目の美女ジェト。
糸目だけどまばたきした瞬間にぱっちり二重の黒目大でぷっくら唇の小柄可憐小動物系女子の鬼選。
『石嶺さん・・・・・・この3人、世界中のどこへ行っても溶け込むなんて無理!』
『それを魔似阿さんのノーマルなマニアックでなんとか』
ノーマルなマニアック?
あん?
0に何を乗じてもゼロのようにアブノーマルに何を乗じても決してノーマルにはならないだろう。
「マニア」
鬼選?
「縁無き衆生は度し難し」
わたしもそう思うよ。
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