第49話 エレベーターは密室

一方、繁と(俺の体の)愛香は新と別れたあと、旅館にまっすぐ向かっていた

数分もたたないうちに、泊まる予定の旅館が見えた

扉をくぐってロビーに行く

愛香は、内装の凄さにびっくりした


「じゃあ、私は部屋戻るね」

「おう」

ロビーで繁と別れた、私も部屋に戻る

部屋番号は事前に聞いておいたので、マップを見ながらその場所に向かった

エレベーターに乗りその階に行こうとした


「お、お前どうだった?」

知らない中学生が話しかけてきた、「誰?」と聞こうとしたが、今は神代先輩の体だ

おそらく、神代先輩のバスケ部のメンバーなのだろう

だが、どうだった?とは何に対して言っているんだ?

「どうだったって、何が?」

仕方ない、ここで適当に答えるよりそれについて聞くほうがよいだろう

もしそのことについて前に彼が言っていたとしても、うっかり忘れてしまったことにしておけば問題ない


「何がって‥」

彼は言いかけたが、何かに気づいたらしくため息をついた

「え、俺なにかしたか?」

「本当にごめん」

ため息をつかせてしまった、もしかすると忘れてしまっていた事に失望してしまったのか

神代先輩、勝手に人間関係悪くしてしまったようです

申し訳ありません


しかし、彼はその謝りに違和感を覚えた

「あれ、お前そんなに謝るキャラだっけ?」

キャラ、神代先輩のキャラ

警察署で仕事しているときのキャラは、正義感を持ち誰も傷つけずに悪を成敗するキャラだ

だが、学校でのキャラはわからない、見たこともない

どうしよう、このままここにいると彼にバレるかもしれない


そのとき、エレベーターが着いたらしく扉がたまたま開いた

そこで、私は一目散に走り去ってしまった

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