第41話 路地裏の兄妹

新が愛香と抹茶店で会っていた頃、繁は通りの裏路地に向かっていた

「あ、いた」

繁の前には凪の姿があった

「お兄ちゃん、告白で問題が発生したんだけど‥」

繁と凪は兄妹である、そして凪は、繁の告白を成功させるためだけにここまで来ていた

「どうかしたのか?」

「うん、コスプレ店が衣装を貸し出せないらしくて‥」

予定では新に武士のコスプレをさせ、繁が姫のコスプレをして告白する予定だった

しかし、コスプレ衣装を貸し出してくれないので、仕方なく予定が崩れてしまった

「そうだ、それより大事なことがあるんだった」


凪は今思い出したことを繁に話した

「予定の場所への道、落石で通れなくなっていたんだ」

「え」

繁は驚いた、予定の場所とは告白する場所で、そこは池が鏡のように山々を映し出し、とてもきれいなところだった

そして、そこで告白したカップルは末永く幸せになると言われている告白スポットだった


「どうすれば、あそこって道一つしかなかったよね?」

「うん、今回ならお前の告白成功すると思ったのに‥」

凪は悔しそうだった

「仕方ない、今回は諦めるか‥」

前回は学校の飾り付けをした部屋で告白させる予定だった、しかしそれも準備中に新達と会ってしまい告白できなかった

「ごめんね、こんなところまで来たのに無駄足になっちゃって‥お兄ちゃん」

「いいよ、俺が勝手に来たんだし」

それは本当である、告白の手伝いに来たのだから

「じゃあ、私は新のもとに帰るね」

そう言って、繁は帰って行った


「そうだ、新が喜ぶものを調べれば、告白も成功しやすくなるかも」

凪は、新について調べることにした

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