第40話 緑色のご注文
蕎麦屋を出てからは、二人で寺、神社、資料館などを観光した
そうして、3時間ほどが過ぎた
「そういえば私、一人で行きたいところがあるんです」
「一人で行ってきてもいいですか?」
繁が俺に尋ねた、一人で観光してはいけないというルールはないので、それに応じる
「いいぞ、じゃあ4時にここで集合な」
そう言って別れた
パンフレットを見て行くところを決める
パンフレットに、美味しい抹茶スイーツ店があることに気づいた
小腹が空いたし、そこに行こうと思った、それ以外特に行きたいところがないことも理由ではあるのだが
10分ほど歩いて、抹茶店に着いた
ここは和風で、さっきの洋風蕎麦屋とは違う雰囲気がある
中に入り、適当な席に座った
「かなりメニューがあるな‥」
抹茶スイーツと言ってもいろいろなものがあった、愛香なら全部頼みそう‥と思った
「この、抹茶ソフトを下さい」
人気No.1と書かれていた抹茶ソフトを注文した
スマホをいじって数分、注文した抹茶ソフトが届いた
「ご注文の抹茶ソフトです」
あれ、この声‥
俺はウェイターを見た、そして気づいた
「あれ、お前、愛香だよな?」
そこにいたのは愛香だった、今日は異少課の仕事を休んでいたはず、そしてここは長野県、たまたま会うのもおかしい
「はい、神代先輩、今はちょっとアレなので後で外で話しましょう」
そう愛香に言われた、愛香はすぐに席を離れて別の席にスイーツを運んでいた、忙しそうだった
抹茶ソフトを食べた、美味しかった
だが、どうして愛香がここにいるのか気になって食べることに集中できなかった
食べ終わってしばらく外で待っていた、愛香が近くに来た
「すみません神代先輩、さっきは忙しくて‥」
まあ今は3時、スイーツ店に人が集まるのも普通だ、さっきも忙しそうに働く愛香を見ていた
「いいけど、何でこんなところにいたんだ?」
「ここの抹茶店よく通うんですけど、人手が足りないらしくて手伝いを頼まれたんです」
ここ長野県だよな‥と一瞬思ったが、よく考えれば愛香は瞬間移動が使える、よく通ったとしてもおかしくはない
「仕事は終わったんで、もう話しても大丈夫ですよ」
愛香が念の為か説明する
「ところで、神代先輩はどうしてここに?」
愛香に聞かれた、正直に話す
「いや、バスケ部の親善試合がこっちで行われるから」
「そうなんですか」
「そういえば、先輩一人ですか?」
ぼっちかのように聞かれた、愛香はそんな感じで聞いてないのだろうが‥
「今は一人だけど、後で後輩に会う、あのとき会った繁だ」
そう説明した
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