第3章 親善試合でも警察業!

第34話 3人全員が休みたい

七不思議の件の次の日、手帳を調べていた

手帳はかなりのページがあった

しかし、分かったことはあの男が「イディス」というコードネームで呼ばれていたこと、そして魂の石には凄いエネルギーが秘められていることだった

特にアンダス団に関係する情報がなく、無駄となってしまった

それから数日間、いつものように任務を放課後にする生活に戻った


そんなある日の放課後、中学校のバスケ部の部室にて

「再来週の日曜日はバスケ部の親善試合だ、絶対勝てよ!」

「はい!」

このバスケ部にはこの時期に親善試合を行うという伝統がある

今回は隣の県まで行く、そこでかなりバスケが強いことで有名な中学校のバスケ部と戦う

土曜日に行き、そこで一泊し、日曜日に戦って帰る

これを俺達バスケ部はかなり楽しみにしていた

「それと、俺の子供が‥」

あ、子供自慢が始まった

顧問の先生はとてつもなく親バカなのである

「ちょっと先に失礼しますね‥」

そういってバスケ部全員が抜け出した 

このままだと、数時間子供自慢を聞く羽目になってしまうからだ


その日の警察署にて

「石山さん、再来週の土日に休みください」

石山さんに頼む、任務が入ってしまうと確実に親善試合に参加できない

だから、早めに休みをとっておくのだ

「いいぞ、てかお前も休むのか」

お前も?

「お前もって、他に誰か休むのか?」

気になって聞いてみた

「ああ、波山が土日に用事があって休んだ」

愛香も用事があるのか、まあ俺には関係ない


「師匠、仕事休むんですか?」

翔が尋ねてきた、たまたま近くにいたので会話が聞こえてしまったのだろう

「ああ、バスケの親善試合があるから」

そう説明した、すると

「師匠の試合見てみたいです! その日休みとって見に行きますね」

「休みって、任務はどうするんだ?」

このままでは、任務をする人がいなくなってしまう

一刻を争う任務もあるだろうから、最低一人はいたほうがいい

というか、誰もいなくなると俺が休み中に呼び出されることになるかもしれない

なんとしてもそれだけは避けたい

「大丈夫です、愛香に頼みます」

「あ、いや、愛香はもう休みとってるぞ」

愛香にも用事がある、それを邪魔するのは悪い

「え、じゃあ休みは‥」

「とれないぞ」

突然、石山さんがやってきた

「師匠の試合を見に行きたいんです、どうにか休みを取らせてください」

翔は石山さんに懇願する、しかし

「駄目だ、お前まで休むと任務をする人がいなくなる」

石山さんの言うこともごもっともだ

「なら、あなたが任務をすれば‥」

なんとしても行きたいようだ、そんなに俺の試合が見たいのか

「私は事務専門だ」

石山さんが断る、まあFX仕事中やっていた人が戦えるとは思わない

その後も、翔は何度も行けないか様々な方法で休みを取ろうとした

しかし、最終的に石山さんに言いくるめられた

お土産でも買ってきてやろう‥ そう思った


それから、二週間がたち、ついに親善試合の一日前の土曜日となった

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