第25話 発明家の信念

愛香は短剣、俺は剣を構える

翔はそこから離れたところに凪と繁を運び、盾を構えた

愛香・翔・凪・繁、こいつらを殺そうとしたんだ

絶対に、倒してやる


「行くぞ!」

男に電撃を当てて痺れさせる、そこに愛香が瞬間移動で近づき攻撃する

たった一発、愛香が攻撃しただけで、男の動きは鈍くなった

こいつ、そこまで強くないのか?


「ただの中学生かと侮っていたら、違うのかよ‥」

「異世界の武器を使うのか、面倒くさいな」

男のこの言葉に、3人とも震えた

こいつ、俺らが異世界の武器を使っていることを見抜いたのか‥?


「静かにして!」

愛香がまた瞬間移動を使う、しかし俺が電撃をまだ使っていないので、男に避けられてしまう


「異世界の武器でくるなら、こっちも異世界のもので倒してやるよ」

男はそういって、俺達から距離を取る

「さあ来な、カイラス!」

男と俺達の間に、白い鳥の魔族が現れた


「カイラス、こいつはカイラスじゃないだろ」

「ハッタリもいい加減にするんだな」

カイラス、一度任務で戦ったことがある

しかし、カイラスは黒い鳥である

この白い鳥がカイラスであるはずがない


「いや、こいつは確かにカイラスだ」

「 改造後 のだがな」

男は悪魔のごとく言い張った

「その証拠を見せてやるよ」


白い魔族は急降下して攻撃してくる

翔のところを襲ったが、翔が盾でなんとか防いでいた

急降下攻撃、任務でカイラスと戦ったときも頻繁にしてきた

本当に、こいつはカイラスなのか‥?


「魔族の改造なんて普通できない、そう思っているだろ」

改造、そういえばその問題が残っていた

だがこの口調、もしかして、できるのか‥

「だがな、これを見ろ」

男は鞭を取り出した

「ただの鞭じゃない、魔族を改造できる鞭だ」


魔族を改造できる、それができるということは‥

これ、異世界の鞭なのか‥


「さ、かかってきな」

「今の所2対3だ、お前らのほうが有利だろ」

男は挑発するような物言いをした


「ふん、お前に言われなくてもやってやるよ」

カイラスが急降下してくる、そのところに電撃を浴びせる

そのところを、剣で攻撃しまくった

任務のときと同じ方法だが、効果はあった

改造されたからかやたら体力が高かったが、そこまで時間かからずに倒せた 


「あとはお前だけだ、さっさと倒してやる」

さっきの愛香の攻撃がはいったとおり、男自身はそこまで強くなさそうだ

魔族がいない今、止めをさしてやる


「発明家は、たった一つのもので満足しない」

男が意味ありげに言う

発明家というのは改造した魔族を作っている男自身のことを言っているのか?

となると、たった一つで満足しないとは‥

そのとき、はっと言葉の意味に気づいた

そして、後ろを振り向いた


「愛香、危ない!」

愛香に叫ぶ、愛香はこれを聞いてすぐに後ろを見て攻撃を避けた

俺達の後ろには、大量の魔族がいた


「これで約100対3だ、形勢が逆転したな」

男は嬉しげに言った

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