第24話 記憶も命も大事に

「どういうことだ、俺らを帰せ!」

痛みがなくなり、異少課の三人が立ち上がる

まだ凪と繁は気を失ったままだった


「ふざけるな、せっかく無傷で帰してやろうとしたところを」

男は怒っている、俺らに怒られる筋合いはないのだが

「無傷なんて嘘を言わないで!」

「師匠に傷をつけることは許さん」

二人も怒った


「嘘ではない、今飲ませようとしたのは記憶を消す薬だ」

「ここでの記憶を消してから帰すつもりだった」

「そこのお前が邪魔をしなければな」

男は愛香を指差した

この男は記憶を消すだけと言ったが、信じられない

わざわざ記憶を消してから帰す必要なんてあるのか?


「私、もしかしてやったらだめなことしちゃった‥?」

愛香が小さな声で弱く言う、さっきの威勢とは程遠い声で

「いや、あの状態なら飛ばしていい」

愛香を擁護する、自分が愛香の状態だったら間違いなく同じことをしていた

あの状態なら普通そうする

「俺もそれでいいと思うよ」

翔も俺の意見に賛同した


「お前、記憶を消すとかいったがなぜわざわざそんなことをするんだ?」

「記憶を消す理由がないとさっきのことは信用できない」

男に問うた、それに男は答えた

「ま、教える必要もないが教えてやる」

「俺は魂の石を集めていた、それがバレたくないから記憶を消そうとした、以上だ」

魂の石、俺が探しだした黄緑の石

それがなぜ大事なのかは分からない、だが一応筋は通っているような気がする


「ま、記憶を消すのがだめなら仕方ない」

「貴様らには消えてもらう」

男がさっきまでの態度から変えてゲームのラスボス的な口調になった

「やっぱり最初からそれが狙いだったのか」

帰さずに、迷い込んだ中学生を殺してしまうことが狙いだったのか

俺はそう考えた

「もういい、これ以上お前の質問に答える義理もない」

俺の質問には答えなかった

すぐさまビーム的なものを俺達に撃つ

それを3人とも当然のように避けた


「翔、その盾で凪と繁を守っとけ!」

「愛香は俺と奴を倒すぞ!」

俺は二人に指示をした、大きな声で

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る