第23話 痛みを乗り越えて

「これが、魂の石‥」

繁が握る石は、宝石のように光っていた

いや、宝石以上だろう

このような石が自然にできたのなら、すごいことだ


「これで、帰れるんですよね?」

「ああ、だが、油断は禁物だぞ」


魂の石を持って、屋上に行く

途中魔族に絡まれたが、凪が包丁で退治した

普通、魔族は異世界の武器でしか退治できないはずだ。何故包丁で魔族討伐できるのだろうか‥

そんなことを考えていながら、屋上に続く階段を登っていた


「開けるぞ、何かいるかもしれないから、気をつけろよ」

「分かっているよ」

愛香、そしてその他の人達もうなずいた


重いドアを開けると、目の前には八つの祭壇があった

そのうち七つは様々な色の石が捧げられており、一つだけ石が置かれていなかった


「置くぞ」

ゆっくりと言い、そして石を置く

これにより、全ての祭壇に石が捧げられている状態になった


「おい、石をおいたぞ、早く帰らせろ」

大きな声で呼ぶ、放送をしていた人を

「もう少し待て、その後にここの記憶を消して帰す」

放送で聞こえた、あの声で返事が来た


八つの石同士は光を通し、魔法陣のようなものを作り出していた 

黒い地面に、白い光で描かれる

この魔法陣が、元の世界に帰ることに関係あるのだろうか

ただ、そのことを考えながら、魔法陣ができるのを待っていた


魔法陣が出来上がった、すると同時に

「ぐはっ!」

急激な痛みが襲ってきた、俺だけでなくここにいる5人全員に

俺を含めた全員が苦しんでおり、のたうちまわっている

そして、こういう痛みに慣れていないからか、凪と繁は少し経つと動かなくなってしまった


「帰すって言うのは‥嘘だったのか‥」

「いえ、嘘ではありません」

目の前に男が現れる

そして、男は5人に薬を飲ませようとしてきた


「させない!」

すかさず愛香が瞬間移動で薬を吹き飛ばす

愛香、翔は苦しんでいたが、任務で痛みに慣れているからか、行動不能状態にはなっていなかった


愛香が薬を吹き飛ばしたその瞬間、痛みはなくなった

この薬が痛みの原因だったのなら、完全に俺らを殺す気だったのだろう

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