第22話 無くしものが見つからない理論

「魂の石‥どこだよ」

「なかなか見つからないな‥」


「このままじゃ時間かかりそうだし、二手に分かれるか」

「そうするか」

「いいよ私は」

話し合いの末、凪と繁が2階を

そして俺達3人が3階を探すことにした


一度別れ、3階に行く

「あの二人、なんだか不思議な感じがします」

「俺もそう思っていた」

愛香と翔が言った

確かに、あの二人は謎めいている

だが、今考えることではないだろう

「今はそんなことより、探すことに集中するぞ」

「そのことは元の世界に帰ってからでいいだろ」


「敵多いな‥」

探し始めて数分後、敵の多さに驚いていた

一階はスレイムなどのそこまで強くない魔族だったが、この階にはかなり強い魔族がうようよいる

凪と繁がいないので武器の力で倒せるが、それでもかなり体力を消費する

「彼女たち‥大丈夫でしょうか‥」

「大丈夫だ、そう信じよう」


そして調べる最後の部屋となった

「くそっ、ここにもないか‥」

「これで3階は最後ですね」

俺達の学校は3階建てだ、つまり、

魂の石は二階にあるのだろう


「そっち見つかったか?」

凪が話しかけてくる、2階の探索は終わったのだろう

でも、こう聞くってことは、2階になかったんじゃ‥

「こっちはなかったぞ、そっちは?」

「いや、こっちもなかった」

やっぱりなかったか、魂の石はどこにあるのだろう

「え、どういうことなんだ」

「魂の石はどこにあるんだよ‥」

翔が言った


「もしかして、まだ探していないところがあるんじゃ‥」

「でも、1階から3階まで全て探したぞ」

「トイレの中とかは?」

「そこも全て見た」

魂の石、本当は無いもの何じゃないか‥

そんな予感がよぎった


「あの‥」

「どうした愛香」

「もしかして、校舎の外にあるんじゃないでしょうか‥」 

「それだ!」

飛ばされたところが校舎の中だからか、外は探索していなかった

学校内のどこかにある、それが、学校の敷地内という意味だったら‥


俺達はグラウンドに出て、魂の石を探す

しかし、グラウンドはまぁまぁ広いので、すぐには見つからないだろうが、探してみせる


「魂の石、もしかしてこれじゃ‥」

繁が大声を出す、まだ3分しか立ってないというのに

繁の手には、黄緑色の石が握りしめられていた

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