第20話 石集めゲームに巻き込まれて

何故か階段踏んで異世界に飛ばされた

元の世界に戻ることはできるのだろうか‥


キーンコーンカーンコーン

突然、チャイムがなった

「5人集まったみたいだね」

スピーカーから声が聞こえる、放送しているのだろうか

「お前は誰だ?」

「だれかは教えれない、適当な名前で呼ぶといい」

質問に答えた、こちらの音声は向こうに聞こえているようだ

「君たちはここに飛ばされて暇なのだろう、少しゲームでもしていかないか?」

決して楽しそうではない声で誘う

「お断りだ、そんなことをしている場合ではない」

「もし君達が勝ったら、この世界から元の世界に返してあげるよ」

「ちなみに、こうするしか帰る方法はないからね」


こいつのことが信用できるかといえばそんな訳はない

ただ、このままでは帰ることができないのは事実なのだろう

繁と凪が先に来たのに、まだ特に進展してなさそうだから

「このゲームに勝って、元の世界に帰る。それでいいか?」

4人は頷いた


「参加してくれて嬉しいよ、早速ルールを説明するね」

「この世界には「魂の石」と呼ばれる黄緑の石があってね」

「それを探して、屋上にある祭壇に捧げてほしいんだ」

「魂の石を無くすと、永遠に出ることができないから注意してね」

「これでルールは以上だよ、それじゃあ頑張ってね」

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴った

もっと聞いておきたいことがたくさんあったが、放送はしてくれなかった


「とりあえず、周り調べてみるか」

「分かりました、師匠」

「俺もそれで」

この世界は全くわからないが、調べていくうちに少し分かった


この世界はほとんどか元いた学校と同じ見た目をしている

学校の敷地からは出ることができない



つまり、学校の敷地の中で黄緑色の石を見つければよいらしい

学校はまぁまぁ広いが、敷地内だけなので、根気よく探せば見つかるだろう


「そういえば繁さん」

「繁でいいよ」

愛香と繁が話している

「じゃあ繁、なんで帽子を室内でもかぶっているの?」

愛香が繁に尋ねた

繁、そして凪は室内でも帽子をかぶっている、これは今に限ったことではなく、初めて会ったときからずっとかぶっていた

「え、でもそれって普通なんじゃ‥」

俺が言おうとすると、はっと気がついた

何故か今まで、俺は凪と繁が帽子をいつもかぶっていても、特に不思議に思っていなかった

慣れというわけではない、最初からおかしいと思っていなかった

俺以外のクラスメイトや先生も、誰一人変に思うものはいなかった

しかし、今思うとそれはおかしいことである

なぜ今まで、不思議に思わなかったんだろう‥


「この帽子? ちょっとこの帽子が大事な帽子だから‥」

「そうなんだ、分かった」

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