第19話 自己紹介は異世界で

「なんでこんなところにいるの‥ 凪」

そう、目の前にいたのは友達の凪だった

凪は今日の放課後に別れた、それならその後学校に来ないとここには来れないのに‥


「あ、えっと‥」

「明日までにやらないといけない仕事があって‥」

「というか、なんでここにいるの」

まあ聞くよな

異少課のことはむやみに他人に話すなと石山さんから言われている

ここは誤魔化しておこう 


「こっちもちょっと用事があって‥」

「まあ、深くは聞かないでおく」

凪が深くまで聞くような人じゃなくてよかった

「ところで、君たちは誰なの?新の友達?」

凪は愛香と翔を指して聞く


「俺達は異少‥」

翔が言ってしまいそうだったので、咄嗟に足を踏んで止める

「どうしたんですか、師匠」

「どうしたもこうしたもない、異少課のことは口外しないと言われているだろ」

「あ、忘れていました」

こいつを殴りたくなった、この事件が終わったら説教でもしよう


「どうした?」

「あ、ちょっと話していて‥」

「分かった、待っている」

「あ、いやもう終わったから‥」

とりあえず異少課のことを出さないでおいてくれ、特に翔

「私は神代先輩の後輩で、波山愛香といいます、よろしくおねがいします」

愛香は完璧だ、翔は大丈夫だろうか‥

「俺は師匠の弟子の大木翔だ、よろしく」

師匠言っちゃだめだろ、そこを隠せ

怒りの気持ちが高まった

「俺は根高凪、新の友達だ、よろしく」

なんとか自己紹介は終わった、ここまでハラハラさせるものではないのだが‥


「てか、ここどこだ?」

自己紹介が終わったところで、軽く辺りを見回す

目に見えるところは一見元の世界と変わらないが、元の世界とは一部違った

「俺らは先にここに来てたんだが、特に情報はなかった」

「なるほど」

調べても情報はない、本当に見知らぬ世界なのか‥


「てか、俺らって言った?」

「あ、実はもうひとりいるんだ」

「お、噂をすれば‥」

廊下の奥から人が来る、馴染みのある人


「先輩?」

「なんで?」

「繁、ちょっと事情があるらしいんだ」

遠くから来た彼女はバスケ部の後輩だった

つまり、兄妹でこの世界に来たということなのか‥

本当に兄妹で何していたんだろう‥


「まあ、ざっとそういうことだ」

凪は妹の繁に今までのことを話した

「そういうことね‥」

「私は根高繁、先輩のバスケ部の後輩、よろしくね」

「私は波山愛香、よろしく」

「俺は大木翔、よろしくな」

「二人共、よろしくね」

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