第7話 実技試験だ、己の強さを見せつけよ!
相手の風船を割ることが目標、それなら‥
「おりゃあああああ!」
俺はとりあえず突っ込むことにした
相手は短剣、こちらは剣だ
リーチではこちらが有利、短剣が届かないところから振れば‥
ハッ!
「えっ」
「甘いですよ、神代先輩」
どういうことだ? 俺は混乱していた
当たり前だ、俺が当てたと思ったら、傷一つなく背後に立っていたんだから
そして、風船は一つ割られていた
「このままじゃ、やばい」
俺はなんとしても勝たないといけない
ここに来る前に石山さんとしていた会話を思い出す
「いい忘れていたけど、負けたりしたらここ追い出すから」
「え、なんで」
「いや、実技試験すらろくにできない人はここにいらんし」
何度目かは分からないけど伝えておけ
「まあ、いいですけど」
このときは、中1の女子に俺が負けるわけ無いと思っていた
しかし、予想外だった
追い出されたくない、そう一心に思っていた
ここに入ったのは、アイツの敵を討つためなんだ
追い出されてたまるか
「絶対に、勝ってやる」
「神代先輩、私も同じ気持ちですよ」
やはりあの技は武器の力か‥
しかし、どんな力なんだ‥
「神代先輩が仕掛けないなら、こっちから仕掛けますね」
そう愛香が言ったとたん急に目の前の愛香はいなくなった
ハッ!
咄嗟に避けた、元いたところに愛香は立っていた
「よく避けられましたね」
「ああ、あいにく気配には敏感なもんでね‥」
「というか神代先輩はまだ武器の力使ってないですよね。使って見せてくださいよ」
愛香は笑顔で話してくる
「その発言、フラグ回収してやるよ」
俺は愛香の足に向けて電気を打った
電気のスピードより速く避けることは流石に無理だろう
相手がどれだけ速かろうと、足を数十秒しびれさせれば、こちらに勝機はある!
「当たった!」
俺はすかさず走って風船を切りに行く
「やっぱり強いね、神代先輩。でもね、そんなんじゃ私は倒せないよ」
「は!?」
おかしい、足を確かにしびれさせていた
足以外は普通に動くとはいえ、あの状態では絶対に避けるほど動けないはず
「あれ、もしかして気づいてない?」
「神代先輩、頭」
そう言われて頭を触る、そのときに気づいた
頭の風船が、割られている
あと一個割られたら、俺は負ける
「これも、武器の力か‥」
足を動けない状態で風船を割って逃げるなら、武器の力を使ったとしか考えられない
しかし、どんな技なんだ‥
そのとき、ふと思い出した
面接のときの本、いつの間にか公園にたどり着いていたこと、そして、今のこと
「なるほど、そういう訳か」
「愛香、君の武器の力が分かった」
「そうなんですか、言ってみてください、合っているか教えますよ」
何故気づかなかったんだろう
こんなこと、この力を使わないとできないのに
「愛香、君の武器の力は‥」
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