第5話 いや、突然面接準備と言われても‥
初任務の日から数日、俺は毎日任務をしていた。
ある日は草原でバッタの魔族と戦い、またある日は山で鹿の魔族と戦い‥
そうして、俺はくたびれていた。
そんなある日、俺は石山さんに聞いた。
「少年課の刑事って俺しかいないん?」
「ああ、お前しかいないぞ」
石山さんはパソコンを動かす手を止めて答えた。
「じゃあ仕事減らしてくれない?俺一人でやる量じゃないから」
「ああちょっとまって、今いいところだから」
「ん?」
俺は気になって石山さんの机を見に行った。
パソコンの画面には仕事とは思えない画面が映っていた。
「おい何でお前FXやっているんだ?」
そう、石山さんのパソコンにはFXの画面が大きく映っていた。
FXとは、簡単に言うと取引してお金を稼ぐものである
「いや、仕事終わったから一息つこうと思って」
ブチッ
俺は石山さんのパソコンの電源を強制的に切った。
「お前何するんだ! 今いいところだったんだぞ!」
「俺が任務で疲れているのにお前ふざけんな!」
俺は感情を込めて怒った。
「そんなに暇なら、俺の任務減らして代わりにそっちが仕事するのでもいいよね!?」
「いや、すまん悪かった」
ようやく自分の悪さに気づいてくれた。
「あともう一人刑事が入る予定だから、仕事減らさんでも許してくれ」
「え、もう一人入る予定なの?」
俺は驚いていた。そもそも異世界の武器を使える中学生なんて限られている。それを見つけることができたことに驚いた。
「ああ、ダークウェブでここの刑事の募集かけたら一人応募してくれてな」
色々突っ込みたいが今は我慢する。というか面倒くさい。
「相手の都合で少し日が空いたがな」
「いつ来るんですか」
「1時間後だ」
…早くね?
「何でそんな大事なこと伝えてなかったの」
「いや、忘れていた」
そこは忘れないでよ。一緒に仕事するようになるんだぞ。
「まあそれよりもうすぐ面接だぞ、準備手伝え」
「あとお前メモ係として面接に参加しろ」
「いや聞いてねーよ」
本当に初耳だ。でも新しい刑事が入ってくれたら俺の仕事も楽になるだろう。
そんな思いで面接の準備をした。
「よし、面接の準備終わった」
面接開始10分前にやっと準備が終わった。
「やっと終わったな」
「お前は何もしてないけどね」
そう、石山さんは指示しただけで何も手を動かしていなかった。
「いや、指示はしてたから‥」
「手を動かせ」
何で俺が怒ってるんだろうか。
「というかメモ係って何すりゃいいんだ」
「俺が質問するから、質問内容とその答えをメモしとけ」
「分かった」
それから数分、どんな人が来てくれるか、期待を胸に待っていた。
トントントン
ドアをノックする音が聞こえた。
「どうぞ」
「失礼します」
俺は鉛筆を握りしめ、メモをとる準備をしていた。
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