第2話 拾ったものが異常でした

「お前、大丈夫か?」

そういって、20代ぐらいのダサいTシャツを着た男が近づいてきた。

「はい、大丈夫です」

俺は咄嗟に答えた。

「あれ、お前、その剣は‥」

男は剣を見ている。

「お前、その剣で倒したのか?」

「あ、はい」

一応正直に答えた。嘘ついたらそれこそ面倒くさいことになると思ったからだ。


「俺は、警察の者だ、今日は非番だったが。」

「警察の人だったんですか」

俺はこのときは、

事情聴取とか受けられるのか、面倒くさい

と思っていた。

しかし、男は予想外のことを言った。

「お前、警察に入らないか?」


何いってんのこの男? 俺は思った。警察なんてスカウトされてなるようなものじゃない。ましてや俺は中学生だ。

「ふざけているんですか?」

「いや、本気だ」

「でも、俺は中学生です、ふざけているならよそでやってください」

俺を中学生と思っていないのかもしれないが、それでもスカウトはおかしいだろう

「中学生でもいいんだ」

「俺は、≪異世界対策少年課≫だからな」

何言ってるんだ?


「異世界対策少年課?」

「少年課って、少年の犯罪を取り締まっているようなところですよね、でも異世界対策って何ですか?」

俺は、少し気になって男に聞いてみた。

ここで聞いてしまったことで、後を大きく変えることとなるのだった…

「まあ、順を追って話す」

「お前は、3年前に起きた大地震を覚えているか?」

「ああ、あれ‥」

そう、ここでは3年前に、マグニチュード9の大地震が発生していた。かなりの被害が出たから、俺も覚えている。


「あのときに、異世界との門が開いて、様々な物がこの世界に入ってきたんだ。そのことは報道されていないから、知らなかったと思うが」

「異世界の武器や道具、そして、魔族も来た」

「さっきお前が倒したのは、≪ベリアル≫という名前の魔族だ」

にわかには信じられないがさっきのモンスターのような生物を思い出して、そのことを信じた。


「そして、お前が持っているのは、その世界の勇者が使っていた≪電気の聖剣≫だ。」

「門をとおってこっちの世界に来て、お前の元に来たらしい」

驚いた。まさかたまたま拾った剣が実際に聖剣だったとは。

嘘かもしれないが、そのとき俺はそのことを信じた

「そして、その魔族を退治しているのが、俺達異世界対策少年課ってわけだ。」

異世界対策とは、魔族を倒しているからか

「魔族を倒すには、異世界の武器を使わないと傷一つつかない。悪い魔族を倒して、平和を守るために、異世界対策少年課の刑事になってくれないか」


「嫌です」

当たり前だ。ラノベ大好きな人ならホイホイなるかもしれないが、俺はラノベなんてほとんど読まない。何より、そんな危険なことをするのはゴメンだ。

「というかそういうことは、大人に頼んでください。この聖剣はあげますので」

「いや、言ったろ少年課って」

ちょっと言っていることが良くわからない、なぜそうなる?

「少年課って少年の犯罪を取り締まるところですよね」

「いや、異世界対策少年課はそういう普通の少年課じゃないんだ」

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