異世界対策少年課

時の花

第1章 異世界対策少年課 始動!

第1話 帰り道に剣が落ちているのですが

「テストどうだった?」

「5教科合わせて456点だけど?」

「お前やっぱ頭良いよな、俺なんて200超えたか分からん」

「お前もっと勉強しろよ」

「分かった分かったって」

そんな他愛もない話をしながら、友達の凪と

一緒に帰る。


そんな中学生らしい生活があと1年は続くと思っていた。いや、高校、大学、そして就職しても、ずっとこんな毎日が続くとも思った。

だが、そんな普通の中学生としての生活は、1年も待たず終わってしまった。

「じゃあな」

「じゃあ」 

凪と別れ、一人で歩いて帰る。


「あれ、この桜咲いていたんだ」

桜を見ると、アイツのことを思い出す

アイツ、昔の俺の友達だ

「アイツ、天国で上手くやっているかな?」

独り言をつぶやきながら、帰っていた。

ふと目を横に向けると、不思議なものを見つけた。


「なんだ、これ?」

そこにあったのは、まるでラノベに出てくるような、 ≪剣≫ だった。それが道端、しかも住宅地の細い道の脇に落ちていた。

落とし物か?と思い、それを警察に届けようとした。

剣に手を近づけたその時、後ろから奇妙な声が聞こえた。

後ろを振り返ると、そこにいたのは、モンスターのような、人ではないことが明らかに分かる生物だった。

身長は3メートル近く、全身毛むくじゃら、そして何より、あの殺気立った顔。


バレる前に逃げたかった。でも逃げられなかった。足がすくんでしまっていた。

お願いだから、向こうに行ってくれ!

そんなことを、切実に願っていた。

しかし、その願いは叶わず、モンスターのような生物と目があってしまった。


これ、絶対終わるやつだ

そう悟った。


モンスターのような生物は徐々に近づいてきた。

俺はせめてもの抵抗として手当たり次第に石を投げた、しかし逃げるどころかどんどん近づいてくる。

そうだ、これなら。

そして、俺はさっき拾った剣を持ち、闇雲にふりまわした。

頼む、驚いて逃げてくれ!

そう願いながら、モンスターのような生物に剣を振った。

これで少しは怯んでくれると思った。

しかし、現実は予想を遥かに超えていた。


振った途端、バチバチとなる音。空気中に広がる黄色い稲妻。


気がつくと、謎の生物は倒れていて、そこに自分だけ立っていた。

「勝った、のか?」

そのところに、見知らぬ一人の男が近づいてきた

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