第3話

「ハッ!」


 武田が両手を振り下げると……。

 

 まあ、何ということでしょう。壊滅していた街がみるみるうちに元の姿に戻っていきます。これぞ、匠の技。


「な、なんと……」


 呆気にとられる町長。


「修復魔法です」


「さすがは、武田様」


 ネスタが横で感心している。彼はまだ7歳。帽子にマント、衣装だけは立派な魔導士だ。生意気な目つきは生まれつき。何かと誤解されやすい。


「ネスタ。君もこれくらいはできるようにならないとダメだよ」


「精進します!」


「ヘッ」


 子パンダのマルディーニが鼻で笑った。ネスタがマルディーニの尻を蹴った。すると、蹴り合いがはじまる。


「二人とも、みっともない」


 武田が指をひゅんひゅんと回すと、二人は宙に浮きあがり、ベチっと石畳に叩きつけられた。


「グヘッ!」

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