念願の(制服)デートに行こう!(2)
「…………店長さん、
この服買います。
そのまま着ていきますんで、
着てた服は
袋に入れて貰えますか?」
「はいは~い。
お買い上げ
ありがとうございますぅ~」
そうして店を
後にすることになったのだった。
とは言え、
雪からの追及を
逃れられたわけではなく……、
「あの、雪生くん。
制服似合ってませんか?」
「いやぁ、
そんなことはないですよ。
ないですけど……」
やっぱり雪生は彼女を
直視することは叶わず、
一目見ただけで視線を
フイと隣に逸らしてしまう。
「ではどうしてそのように
目を逸らされるのですか?
やはり、
高校生には見えませんよね。
いい歳した大人が
制服を着てるだけの
イタイひと、ですものね……」
「まあ、
高校生には見えませんね。
どこからどう見ても
成人女性です」
一刀両断っぷりに、
彼女は
「そんなはっきり
言わなくても……」と
あからさまに気落ちしていた。
が、それだけが答えでもない。
「でも、痛い人って
いうのは違います。
雪さんの場合、
痛い人なんかじゃなくて
その……………………」
雪生は言うか言うまいかを
悩んだ挙げ句、決心する。
「めっちゃ扇情的で、やらしくって
――――ムラ……
性的欲求が掻き立てられて
しまうんですっ!!!!」
雪生渾身の一撃に
彼女は面食らったらしく、
ぽかんと
口を開けたままだった。
が、それも
一分ほど経過すると、
言葉の意味が
呑み込めてきたのか、
みるみるうちに
頬と耳に赤みが差していった。
「いゃ……////」
微かに声を漏らすと、
彼女は直ちに
自分の腰を抱き寄せ、
スカートの裾をぎゅっと
押さえるなどして、
懸命に
「見ないでアピール」
をしてきた。
しかし雪生にしてみれば
そちらの方が幾分も
情欲を掻き立てるもので、
「…………雪さん。
そうやって恥じらってる方が
めちゃんこエロいです。
なんかはしたなさっていうか、
無自覚に男を誘ってる
感じがするんですよね」
「っ////!!!?
ゃ、そんなこと、言わないで
…………そんなこと
言われたらわたし、
――濡れちゃいます……」
「そ、雪さん!!?
こんな白昼堂々、
R18発言しないでくださいよ!?
誰が聞いているか
分からないんですから……
特に、右側で
こそこそしてるサラリーマンとか」
と雪生はすぐ傍で雪を狙っていた
中年親爺に対して目を向けた。
すると、
その男はそそくさと退散し、
人並みに呑まれていった。
一安心した雪生の隣で、
彼女は小さく反抗心を見せた。
「で、でも……雪生くんが、
仰ったのではありませんか。
扇情的だとか、やらしいだとか、
性的欲求が
掻き立てられるだとか。
お、男を誘ってる
感じがするだとか…………
そんなこと言われたら
妙に意識してしまって、
ゾクッてなって……」
さらにスカートの裾を
強く絞る彼女。
「――感じちゃいましたか?」
と雪生はいやらしく、
雪の耳元で囁いた。
「ひゃ、んっ……
もうっ、雪生くん!!」
初めて怒った表情を見せる
彼女をいじらしく思いながら
雪生は、
「冗談ですよ。
まあ、雪さんが目立っちゃうのは
本当のことなので、
これからは腕組みでもして
歩きましょうか。
そしたら、
いちゃついてるだけの
カップルに変わって、
そんなに
見られなくなるでしょうし」
と雪生が腕を差し出すと、
彼女は
「雪生くんは意地悪ですね」と
悪態吐きつつも、
腕を組んでくれた。
(言ったらまた怒られると
思うから言わないけど、
お姉さんの当たってる
おっぱいめっちゃ
柔らかくて気持ちいい!!)
雪生のそういった下心を
知ってか知らずか、
それ以降の制服デート
(買い出し)では
布団や衣類・食材の
購入の他に、雪生を連れて、
女性用消耗品
(生理ナプキンなど)を購入した。
それだけで済めばまだいいが、
果てには
ランジェリーショップまで
付き合わされた雪生。
「それだけは
勘弁してくださいぃ……」
と零す彼に、
彼女は満面の笑みで
「今日はデートですものね?」と
片時も腕を放してくれず、
交際経験など0の彼には
嬉しいながらも、
羞恥の地獄であった。
おそらくこれは、
大人しくいい子ちゃん過ぎる
雪なりの仕返しだったのだろう。
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