2#赤い風船の惨劇再び
徹は、自転車でこの暗闇の通学路を通りかかった。
「確か・・・女性が何者かに襲われたって言われてる通学路だ。慎重に進もう。」
自転車のランプは点いているし、自分自身は大丈夫だろうと徹は考えていた。
しゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこー・・・
「大丈夫!大丈夫!!何だ。何起こらないじゃないか!!」
しゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこー・・・
ふっ・・・
「えっ!?何でここで自転車のランプが消えるんだ?!」
徹の自転車の灯りがいきなり消えて、辺りは真っ暗闇になった。
「えーーーーっ?!ちゃんと整備は怠ってないのに、何でランプが故障するんだ?
全く・・・ついてないなあ。」
そう呟いたか徹が前を向くと、
ふうわり・・・
「風船?!例の赤い風船だ!!」
徹は血の気がひいた。
「この風船を見ると・・・終わり・・・?!」
徹は、だいぶまえに映画館で見たホラー映画を思い出した。
「『ぺにー・わいず』だぁーーーーー!!」
徹は、目の前に現れた赤い風船に仰天して慌てて自転車を漕いで逃げ出した。
しゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこー・・・
「くわばら!!くわばら!!俺はまだ死にたくねぇーーーーーー!!」
しゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこーしゃこー・・・
ずるっ・・・
「うわーっ!!」
がしゃん!!
突然徹の乗った自転車が横滑りして、激しく転倒した。
「いてててて・・・散々だ!!」
徹は、身体中の痣をさすりながらゆっくりと自転車を起こして前を見た。
「ふ、風船を撒けなかった!!まだここにある!!
しつこいなぁーーーー!!」
徹は、自転車を押して血相を変えて一生懸命になって走って逃げた。
たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!たっ!!
「うにゃーーーー・・・」
徹の目の前に通せんぼした赤い風船は、突然矢のごとく徹の胸元にぶつかってきた。
どんっ!!
「いてぇなー!!風船の癖に!!」
うにゃーーーーーーー!!
突然の事だった。
赤い風船が牙を剥いて徹の懐へ襲いかかってきた。
「うわぁーーーーーー助けてくれぇーーー!!」
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