第5章 鎌倉

 鎌倉駅に着くと、そこは人混みだった。なんと観光客が多いことか。今日は、平日だぞ、と心の中でつぶやきながら小町通りに入った。

 土日ではないので、世の中では、仕事をしている人の方が多いだろう。しかし、ここでは、遊んでいる人の方が多い。これも鎌倉の人を惹きつける力なんだろう。

 確かに、この町は見るべきものが多い。神社もあれば寺もある。鎌倉時代から雨に打たれている大仏、歴史ある町並み、日本で最初の公立近代美術館、それに材木座の海岸もある。車で来てなくても、江ノ島電鉄に乗れば、昔から絵にも描かれてきた江ノ島に行ける。そのすぐ近くには水族館もある。


 そうだ。江ノ島には、弁財天像がある。昔、つきあっていた女の子が、どうしても江ノ島の弁財天を見たいと言っていた。それで、デートの日にちを決めて湘南にドライブに行くことにした。

 せっかく湘南に行くなら、経路からいって先に鎌倉を彼女と一緒に見ようとして、銭洗い弁財天や鎌倉大仏も予定に入れて、少しばかり欲張ってしまった。

 その時は、借りた車で、東京から江ノ島方面に向かったのだが、休日で道路は混んでいた。だから、鎌倉見学の予定も押せ押せになって、肝心の江ノ島に向かったのは夕方が近づいた頃になった。

 鎌倉から江ノ島までは、午後の下り方面だから大丈夫だろうと高を括っていた。だけど、予想に反して大渋滞。海が見える道路に出るには出たが、車がほとんど動かない状態が続いた。

 だんだん夕闇が迫ってきて、彼女の機嫌がだんだん悪くなってきた。それでも、何とか江ノ島に辿り着いたのだが、すでに陽は落ちて、弁財天を見たときはかなり暗くなっていた。

 それもあってか、彼女とはその後、うまくいかず、結局、別れてしまった。


 つい、かつての苦い記憶を思い出しながら歩いていると、こじゃれたイタリアンレストランが目に入った。

 別荘であったところを探す前に、腹ごしらえをしようと、そのお店に入った。雰囲気のいいところで、お店の人のあいさつも気持ちがいい。メニューには、知らない食材の名前が沢山あった。ピッツァなど種類も豊富だ。

 パスタ好きな孝太郎としては、ここはパスタから選ぼう。でも、こうメニューが多くては迷う。結局、一番気になった、4種のチーズのクリームソースパスタを注文した。

 サラダがついていて、濃い緑色の野菜や、ビーンズ、レタス、ベビーアスパラなどを取り混ぜている。ドレッシングは自家製だろうか、舌にちょっと刺激があって、それでいて味がよい。サラダを食べ終わると、ほかほかのパスタが運ばれてきた。

おいしい。

 麺ので具合などはよくわからないが、口の中でチーズがとろりと溶ける。その上に、これまた自家製だろう、濃厚なクリーム味が広がって、幸せ感がじわじわと心に浸みてくる。

 食後には、エスプレッソがついていて、苦みのあるコーヒーが口の中で、食事の一区切りだよと、告げてくれる。深煎りの味がするエスプレッソで、気持ちも、胃の中も、少しばかりすっきりする。

 会計を済ませ、店を出た。これから、森玲子が住んでいたところを目指す。

 鎌倉は山側に向かうと、結構、起伏がある。調べていた住所と、用意していた地図を途中、何度も確かめながら坂を上っていく。地図によると、古くからの寺の裏側に別荘があるはずだ。道幅がだんだん狭くなり、さらに地図を確認しながら、先に進む。

 すると、まずは目標にしていた寺が出てきた。石柱に彫り込んだ寺の名前が、時代を経たからだろうか、かすれている。だが、地図上の名前と合致した。

 この寺だ。

 寺の正面を見て、その左右にそれぞれ道がある。さてと、右から回るか、左から回るか。孝太郎は左の道を選んだ。寺の敷地は、なかなか広くて、寺の裏側の住宅地までしばらく歩いた。だんだん、手にした住所の番地に近づいてくる。

 この辺りは、敷地が広いな。しかも高台となるから眺めもいいかもしれない。狭い道が突き当たったところに立派な門構えの屋敷があった。

 ここだ。

 表札を確認する。当然、森とはなっていない。

「秋原」

と、ある。

 法務局で調べた現在の所有者の名前と一致した。その名前を記憶に留めた。森玲子が、秋原さんにこの別荘を売ったのだろうか。所有者が代わっていることは、今日の午前中に確認してきたから、何らかの土地取引はあったに違いない。

 かつての別荘は、敷地が広く、建物も大きかった。500坪はあるだろうか、家は和風で、日本建築のすっきりした美しさが出ている。さすが、かつての大女優の家だ。あの美しい人が、ここで生活していたのかと、思いを馳せながら敷地の周りを歩いた。奥の方は、山側となり、敷地を1周することはできない。それでも、まず右側の道を奥までいくと、家の前にしつらえられた日本庭園のほんの一部が見えた。

 現在、住んでいる人も、きちんと庭の手入れをしているようだ。引き締まった空間だ。正面の門までゆっくりと戻り、今度は、左側の道を歩いた。こちらは、敷地の大半が建物となっている。やがて、道は右側に折れて、別荘の奥の方まで続いていた。そのまま進むと、道は山の手前で行き止まりとなっていた。

 孝太郎は、もう少したたずんでいようかとも考えたが、森玲子は、ここにはいないのだから、長く留まっても仕方ないだろう。まずは、この空間を頭の中に入れておこう。今は、秋原さんの家となった、かつての大女優の別荘。なぜ、ここを引っ越したのかは、楢崎の推測を聞いていた。メディアの興味本位な隠し撮りは、その大きな原因となったのだろう。

 森玲子の立場を想像するなら、映画界から引退したのだから、そっとしておいてほしいというのが本音だろう。ここ鎌倉の高台にあるこの別荘で、静かに暮らそうとしていたのに、マスコミに、相変わらず騒がれ、隠し撮りの標的になり、ほとほと嫌気がさしたのだろう。

 しかし、自分は、これから、そのマスコミの一員として、隠し撮りに加担しようとしている。何だか、これでいいのだろうかとの思いに囚われそうになった。

いやいや、待てよ。

 彼女の気持ちは、おそらく、そっとしておいてほしい、なのかもしれない。だけど、マスコミというのは、ある意味、一般の人とは違う立場にあるのではないか。

 森玲子側でなく、マスコミ側に立って考えると、突然、引退してしまった、かつての、しかも、最も美しい女優のその後に関心をもつことは、ある意味、マスコミの役割として当然といえるのではないか。

 マスコミは所詮、世の中の鏡という役割が大きな部分を占める。もちろん、報道する内容は、マスコミ各社の編集方針に従って、取捨選択される。政治的なことは、とりあえず置いておいておくとして、芸術や芸能の分野ではどうだろうか。

 マスコミは、まず読者ありきの立ち位置であってもいいのではないか。つまり、読者が読みたいもの、写真でいうと、読者が見てみたいものを伝えていく。これが、やはり本道であろう。

 とはいえ、社会的なルールを守らなければならないよな。そうだ。やはり、隠し撮りはルール違反だよ。そのことは、楢崎から依頼された時、すぐに、感じたことでもある。それでも、孝太郎がこの仕事を受けたのは、あのスチール写真に惹きつけられたからに他ならない。

 美しさとは罪つくりだ。

 古代ギリシャの詩人ホメロスが、「イーリアス」で語っているように、絶世の美女ヘレネーの争奪はトロイア戦争勃発の原因となっている。

 美は人を虜にする。

 ならば、美しきスターの動向をレポートしていくことは、一般の読者の関心を、マスコミが代わりに引き受けて、取材を進め、記事や写真として届けていくという構図も成り立つのではないか。

 ただ、ルールは大事だよな、など心は揺れ動いた。


 歩きながら、ふと、気がついた。手がかりなら、ここにあるのではないか。今、目の前にある、かつての別荘。そして、登記簿謄本に載っていて、この不動産を入手した秋原さんが、その糸口を持っているかもしれない。

 孝太郎は、ここは、思い立ったが吉日とばかりに、正面の門に向かって、歩みを速めながら進んだ。歩きながら秋原さんにどういった質問をすればいいか、考えた。ストレートに森玲子を探していると言えば怪しい人間と疑われてしまう。そもそも秋原さんとは、不動産の売買だけの関係であり、売り主のことまで詳しく知ってはいないだろう。

 では、どう聞こうか。森玲子に特化しないで、映画について調べているとしておこう。多分、その方がいい。そう考えついたところで、秋原さんの大きな門の前に戻った。

 呼び鈴を押す。何も反応がない。もう1度押す。今度は、インターホンが、ガチャガチャと音をたてた。

「はい」

 女の人の声だ。年齢は七十歳代だろうか。

「突然ですみません。こちらは秋原さんのお宅でよろしいでしょうか」

 表札に書いてあるから、当たり前だが、入りやすいことから質問した。

「はい、そうですが」

「わたしは西村と言います。少しだけお時間よろしいでしょうか」

 自分がどう見ても、正確には、どう聞いても、不審者であるのは間違いない。だから、最初から、本名を名乗った。

「あまり時間はないけど、何ですか」

「お忙しいところすみません。こちらのお宅のことでお伺いしたいことがあり、お訪ねしました」

「どちらの西村さんですか」

「カルチャー雑誌の仕事をしている者です」

 即座に反応があった。

「取材はお断りです」

 孝太郎もすぐに答えた。

「違います。調べているだけなんです」

「何をですか」

 口調がきつい。

「雑誌の特集で、戦前の映画について取り上げるんです」

「それとうちと、何か関係がありますか」

 ますます声の調子が冷たくなってきた。

「はい。戦前の映画のスターたちが住んでいた家をですね、紹介するページがあるんです」

 話している自分でも、まったくの嘘とは言わないが、よく言うな。

「それで」

「こちらは、元映画女優の森玲子さんの別荘だったところですよね」

「はい。そうですが、取材は受けませんよ」

 ぴしゃりと言われた。

「秋原さん、一つだけ教えてください」

 ここは、粘り腰だ。

「何ですか。あまり時間がないんですけど」

 秋原さんが苛立っているのがよくわかった。

「秋原さんが、こちらの家を購入されたいきさつだけでいいんです。それをぜひ、知りたいんです」

 しばらく沈黙があった。

「そう、そのこと。じゃあ、少しそこで待っていてください」

 インターホンが、カチャっと切れる音がした。

 秋原さんは、わざわざ家から出くれるようだ。ありがたい反面、結局、取材しているわけだから、申し訳ないなとの気分が交じり合った。

 秋原さんを待っている間に、立派な数寄屋門をあらためて見ると、門の左側に木製の看板があり、秋原茶道教室と書いてあった。

 そうか、このお屋敷のどこかで茶道の稽古が行われているのか。ここでお茶の練習ができるなんて恵まれているな、優雅なものだ、などと考えていると、秋原さんが、門の右側にある通用口の扉を開けた。

「西村さんですか」

 驚いた。年配であるが、美しい女性だ。声から想像した通り、七十歳代だろう。

 秋原さんは、通用口を開けたが敷地の中に留まり、孝太郎は、通用口の外側から話かけた。

「はい。お忙しいところすみません」

「この家のことでしたよね」

「はい。森玲子さんから、ご購入されたと思うのですが、そのいきさつを、概略で結構ですので教えていただけないでしょうか」

 秋原さんは、一拍ほど間を置いてから答えた。

「この家は購入したのではないんですよ」

 孝太郎は戸惑った。

「え、でも、こちらは秋原さんのお宅ですよね」

「はい。私たちの家です」

「そして、森玲子さんがお住まいだった家でもある」

 購入でないとは、どういうことだろう。理解に苦しむ。そう考えていることが、顔に出たのだろうか、秋原さんが説明してくれた。

「森玲子は、私の姉なの」

「え、そうなんですか」

 秋原という名前につられて、その可能性については考えが及ばなかった。

 あわてて言葉を継いだ。

「森玲子さんの妹さん」

「はい。そういうことになります」

 そうか。道理で秋原さんも綺麗なはずだ。

 ただ、森玲子は彫りが深く、ヨーロッパ系の美しさだが、秋原さんは、すっきりした和風の美しさだ。

「それで、この家についてですが・・・」

「この家はですね、姉から、私たち夫婦が譲り受けたものなんですよ」

 ちょっと信じられなかった。ここは、鎌倉の高台にある別荘地。お寺の近くにあり、環境もよい。敷地も広い。建物は、つぶさに見ていないのでよくはわからないが、資産価値として、全体で数億円はあるだろう。それが、姉と妹とはいえ、譲渡されたとは。

「かなり高額な不動産になりますよね」

 ちょっと不躾ぶしつけな質問が口から出てしまった。

「そうね、そうだとは思うけど、姉さんはね、そういうことに無頓着なのよ」

 秋原さんも、あっけらかんとしている。二人とも大らかに育ったのか。

「そんなことがあるんですね」

 ひたすら驚いていると、秋原さんがさらに説明してくれた。

「ご存知かしら、姉はね、私たち家族が経済的に苦しかった時から、森家を支えてくれたの」

「そうですか」

 孝太郎もにわか勉強ながらそのことは知っていた。でも、ここは話の流れを途切れさせないほうがいい。

「姉は、今でも、私たち家族に何かと便宜をはかってくれるの」

「それは、何というか、いいお話ですね」

 秋原さんは、そこで、孝太郎を強い目力で見た。

「西村さんと言われましたよね」

「はい」

「それでね。雑誌などマスコミの取材は、ずっとお断わりしているんですけどね」

 秋原さんは、少しばかり言い淀んだ。これは、何か頼むんだな。

「なんでしょう」

「その特集で、姉のことを取り上げるのなら、この別荘だって、玲子姉さんが利益を得るために売却などしていない。売却どころか、家族に譲渡したということを紹介してほしいの」

 そうか。そういうことか。森玲子は、映画界引退後に、もう利用しないからだろう、かつて東京に所有していた不動産を売り払った。そして、本人にその意向があったかどうかはわからないが、その際に、莫大な売却金を受け取りった。マスコミは、久々に出てきた、森玲子のニュースに飛びついた。しかも、かつての映画女優が大きな利益を得た、ということに焦点をあてて話題にしたので、家族としては、不愉快な思いをしたのかもしれない。

 だから、姉のためになることならば許可をするということか。それは、ありがたい。楢崎に相談して、特集の中に、別荘の写真を入れてしまうことはできるだろう。

 しかし、このままでは、森玲子の隠し撮りには繋がらない。

「秋原さん。わかりました。では、この元別荘を紹介する時に、今の下りを入れましょう」

「そう、それならいいわ」

 秋原さんの顔にようやく微笑みが浮かんだ。

 よし、ここだ。

「ところで、森さんに連絡はできますか」

 秋原さんの表情が一転してきつくなった。

「それはできません。姉は映画界を引退したんですよ。ご存知でしょうが、一切、取材をお断りしています」

 ここが踏ん張りどころだ。

「しかし、元別荘の写真を掲載するにあたって、森さんの了解をとっておいた方がいいと思うのですが」

 秋原さんは、少し考えるような仕草をした後に、答えた。

「その点は大丈夫ですよ。先ほど、お伝えしたでしょ。この家は、私たち夫婦が姉から譲り受けたと」

 孝太郎は、しつこく食い下がった。

「そうですが・・・」

「この家の所有権は、今は私たちにありますからね。この家の写真公開については問題ありません」

 その所有権については、法務局に行って調べてきている。それはその通りだが、それでは困る。

「秋原さん。われわれ、マスコミとしては、写真を掲載して抗議を受けた場合のことも考えに入れておく必要があります。その時のために、念のためではありますが、連絡先を知っておいた方がいい。対処も早くなります」

「というと」

「つまりですね。秋原さんの家の写真を掲載して、いわゆるクレームを受けた場合にですね、速やかに相談するべきところを教えていただきたいのです」

 ようやく、秋原さんも考えを巡らせてくれたようだ。少し悩んでいる。

「そうですね。本当はお教えしたくないんですが」

 これは、いよいよ森玲子の連絡先を教えてもらえるのだろうか。

「では、あくまでも相談の窓口ということで、義理の兄の連絡先をお伝えしますね」

 残念。本人のものではないのか。

「では少しお待ちください」

 秋原さんは門から、母屋の玄関の方に戻った。玄関までは少し距離がある。孝太郎は門の通用口から建物の方を見た。平屋の数寄屋造りの家だ。さすが、大女優の別荘だ。風格のある外観だ。

 しばらく待ってから、秋原さんが、門まで戻ってきた。

「では西村さん、これが義兄あにの名前と電話番号です」

メモを受け取った。鎌田雅彦とあり、その下に番号が書かれていた。

「ありがとうございます」

「それで、この家の撮影はいつ頃ですか」

 そうだった。カムフラージュで、戦前の映画スターの家を撮影するという話をしていたんだ。

「夏休み用の企画ですから、撮影自体はまだ先ですね」

 これは、いよいよ楢崎と相談しないといけない。

「わたしたちは、いつでもいいですけど、少しは余裕をもって連絡をくださいね」

「はい、スケジュールが決まったら、ご連絡します」

「よろしくお願いしますね」

 とうとう、秋原さんから、お願いします、とまで言われるようになった。

 待てよ。森玲子のことばかり考えていて、まだ秋原さんへの連絡方法を確保していないではないか。

「秋原さん。すみませんが、連絡先をお伺いしてもよろしいですか」

 秋原さんも、苦笑いをした。

「あら、いけない。そうですね。私たちの電話番号ね」

「はい」

「先ほどのメモをいいですか」

 孝太郎は大事に手に持っていたメモと、下敷きとして自分の取材メモを下に添えてから、秋原さんに渡した。

「はい。どうぞ」

 秋原さんは、再び苦笑いをした。

「西村さん。何か書くものをお持ちかしら」

 胸ポケットにいつも差している三色ボールペンを手渡した。秋原さんは、さっと電話番号書いてメモと取材メモを返してくれた。

 秋原さんが言った。

「それと、撮影はどのくらいの時間がかかるのかしら」

 もうすっかり、この家の撮影に乗り気になっている。

「そうですね。決めるのはこれからですけど、だいたい2時間か3時間ほどで、撮影を終わらせます」

「わかりました。では、よろしくね」

「はい。今日は突然お邪魔しましてすみませんでした」

 孝太郎は、丁重に秋原さんにお礼を述べてから、鎌倉駅に向かって坂を下りた。

さて、これだけの情報で、本当に居場所がわかるだろうか。いやいや、悩んでもしかたがない。こういう場合は、じっくり資料を読んで、次の策を考えるしかない。

 霧が晴れないような気持ちは変わらなかった。しかし、秋原さんからもらったメモは、手掛かりにはなるかもしれない、義兄ぎけいの連絡先を入手できたのは、一歩ではあるが、前に進んでいるだろう。揺れる気持ちを抱えながら鎌倉駅に歩みを進めた。

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