皇鳴民間警備
トナリ
プロローグ
東ノーストリフ
人口二十五万人。
中央区には王城が存在し
王ニハイルリッヒ=ノーストリフが統括する国である。東西南北にノーストリフは分かれており中央ノーストリフに存在する王城には皇帝が居る。
東西南北一つ一つが国として成立しており
基本的には中央ノーストリフの皇帝の下に四人の王が国を束ねている図式になるが
勢力的には北ノーストリフが極めて高く東西南のノーストリフそれぞれの国は北ノーストリフに一切関わりを持たないようにしている。
しかしながら、
治安の悪さで有名なのは
勢いがある北ノーストリフではない。
北ノーストリフの勢力は『戦力』の事であり『危険性』の高いのは東ノーストリフである。
東ノーストリフの年間死亡者数は二万六千人。
他のノーストリフの比べると遥かに少ないが、
それもその筈…
東ノーストリフの年間行方不明者数は
五万人であり、その中には身元が不明な遺体も含まれている。
身元が確認できるレベルの恵まれた遺体のみが死亡者と数えられる
東ノーストリフだからこその人数。
無論、
東ノーストリフには軍も警察も存在せず
マフィア、ヤクザ、民間警備が
治安を守っている。
これは、その民間警備の中でも極めて変わり者と称される『皇鳴民間警備』の歴史である。
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