第2章 不思議な旅 第6話 平和と戦争

通常繰り返すそれが、その時代には器用に隣り合い共存していた。


殺伐とした空気を感じることはあっても、安穏とした瞬間を感じる暮らしを

繰り返し得るだけ、地上に平和はあり、


地下やサイバー空間、海上空上宇宙空間など、住宅需要が無さそうな場所で

戦争が過激だった。


ただ情報という壁が隔てるだけで、それを共存させていたが、

各地で聞こえ始めた民衆の歌が大きくなるにつれ、厚みは薄まり、

真実を求める先触れの者達には、時代の向こう側が見え透く

レースカーテン程の存在でしかなかったかもしれない。


日本では、コロナウィルスワクチンの接種開始を告げる大臣のコメントには、

「地震や台風などの影響で計画通りにはいかないかもしれませんが云々」との

前置きがあった。


M7.1の地震があった三日後に、2度も念押しの様なコメントを聞かされると、

まるでそれが予定事項の様に聞こえ不快だった。


翌日には、緊急事態宣言下に深夜飲食店利用の議員が離党のニュース、

CMはB型肝炎ウィルス訴訟の相談。


この頃の私は、疑念を持って報道に接する病が、それらをアメリカに端を発していた議員の大量逮捕を連想させ、ナノテクノロジーや遺伝子組み換えワクチンに対する

警告の様に見えるほど重症化していた。


壁の向こう側で行われている、軍事作戦成功が先か、彼らの民衆奴隷化計画が先か、

事態は拮抗し、カーテン越しに新時代の陽光は射し込んで、

人々の目覚めを促していた。









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