HMC-005 - ヤマヒメ(ヴィドゴニア)
【登録番号】HMC-005
【妖姫通称】ヤマヒメ/ヴィドゴニア
【親和性】レベル2
一般的には危険な妖異となります。花街管轄下以外で遭遇した場合は、ただちに逃げることをお勧めします。対象に知性がある場合は接し方によっては親密度を高めることができる可能性があります。花街で紹介する娼妓については、このレベルの妖異であっても安心して恋愛をお楽しみいただくことが出来ます。
【外観】
ヤマヒメになったばかりの頃は恐ろしい姿をしていますが、美しい女性の姿をとるものもいます。
【説明】
ヤマヒメは古来より山姫や山姥とも呼ばれている妖です。尼僧や巫女など神仏に仕えていた女性などが現世に強い執着を抱いたまま亡くなると、ヤマヒメとなってこの世に留まると伝えられています。
ヤマヒメとして復活した女性は強い飢餓感に苛まれ、その姿はまさに飢えた獣のように口は耳まで裂け、鋭く長い爪が伸び、口にはぎざぎざの牙が乱雑に並んでいると言われています。両の目にはただ暗い窪みがあるだけで瞳はありません。
この状態のヤマヒメは非常に危険な存在です。昼間は山深くに潜み、深夜になると人里近くまで下りてきて旅人を襲うこともあるようです。
ヤマヒメと遭遇した人間は、自分にとって何か大切なものを差し出すことでヤマヒメとの交渉ができる場合があります。持っている宝物を差し出すことで見逃してもらったり、あるいは命を差し出すことで娘の病を治してもらったりといった事例が民話の中で語られています。ただし、一般的にはヤマヒメから一方的に大事なものを奪われてしまう場合がほとんどのようです。
奪ったものによってヤマヒメの魂が満足して飢餓感が失われると、その姿は美しい女性へと変化していきます。その外見のほとんどが人間と変わらないものとなります。ただ、その瞳には青白い鬼火が揺らめき続けているため、人間と見分けるのは難しくありません。
人の姿に戻ったヤマヒメは生前に近い状態に戻り、人を襲うようなことはなくなります。ただ飢餓状態だった頃の記憶が残っているため、自分がしてきた残虐な行為に苦悩し続けるものが多いようです。
ヤマヒメには縄張りが存在し、下位の魔物を遠ざける力を持っていることから、人返りしたヤマヒメを積極的に迎え入れる村落も珍しくありません。
【エピソード】
霜根山では若くして尼僧となり生涯を終えた女性が、男女の交わりに強い執着を残したままヤマヒメとなりました。ヤマヒメは男を捉えては未練を果たそうとしましたが、その恐ろしい姿に怯えるばかりで、ナニひとつ喰う(性的な意味で)ことができませんでした。
ある日、万人切り(性的な意味で)で知られる竿立太郎 宗義がその噂を耳にして、一人で霜根山へと入っていきました。
幾日過ぎても麓へ降りてこなかったため、人々はきっと宗義もヤマヒメに喰われてしまった(物理的な意味で)に違いないと思っていました。
しかし一か月後、宗義は絶世の美女を伴って麓へ降りてきたのです。美女の眼には青白い光が揺らめいており、人々はそれがヤマヒメであることを知りました。
かつてヤマヒメに襲われた男たちは、こんなことならもっと本気出すべきだったと悔しがり、いつまでも地団駄を踏み続けていたそうです。
【所属妖姫】
花街所属のヤマヒメは人返りした美女のみとなっております。
★ 観月リンナちゃん(人外っ娘倶楽部 葛城店所属)
生前は厳格な名家で箱入り娘として育てられ、異性との交流がほとんどないまま政略結婚させられたリンナちゃん。しかも旦那は男しか愛せない系で、リンナちゃんは短かった生涯をハリボテだけで過ごすことになりました。もちろんHには興味津々だったため、この世に強い執着を残しヤマヒメに。しかし花街のサポートによって、すぐに人返りに成功しています。
本人コメント:人間だったときには、妄想してもできなかったいろんなことを貴方としてみたいな!
★さやねちゃん(人外っ娘倶楽部 帝都南店所属)
★ミカサちゃん(人外っ娘倶楽部 大阪上筋店所属)
★その他にも多数所属しています。詳細は各店舗に直接お問い合わせください。
花街妖姫カタログ 帝国妖異対策局 @teikokuyouitaisakukyoku
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。花街妖姫カタログの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます